10月11日(土)に、第50回母と女性教職員の会静岡県集会が行われ、県内各地より保護者、教職員、退職者を中心に219人が参加しました
全体会を運営するのは、保護者と教職員の代表による実行委員です
会の冒頭に、実行委員の紹介が行われました
主催者を代表して、赤池 中央執行委員長より、以下のような挨拶をしました
今年は太平洋戦争の終結から80年という節目の年で、例年に比べ「戦争」や「平和」について考える機会が多いと感じる
NHKテレビ小説『あんぱん』では、主題の根底に平和への強い思いが流れていたことに気づかされた
現実に目を向けると、地球上で戦火の絶える日はなく、戦後80年という節目の年に、改めて“我が子、教え子を再び戦場に送るな”という不戦の想いを共有したい
公立小中学校の不登校児総生徒数は11年で増加、文科省や教育委員会は「学びの多様化学校」の新設やフリースクールに対する財政的支援を行っている
しかし、不登校児童生徒の思いを「特別」と受け止め対応するのではなく、すべての子どもたちの多様な学びに寄り添う学校のあり方を追求する必要がある
学習指導要領改訂に向けた検討では、「子どもたちの学びや生活の現状」よりも「国際社会の中で日本に置かれている現状」から学校教育には何が必要かが優先されている
過密化するカリキュラムにより体験やコミュニケーションの機会が減っており、このままでは学校での学びから離れていく子どもたちは増えていくと危惧する
私たちは、子どもの現状から「今どんな学びが大切か」「今何をすべきか」などについて、保護者と教職員が一緒に考えたい
多くのご来賓にご臨席いただき、代表してお二人からご挨拶をいただきました
長澤 県PTA連絡協議会会長
沢田 県議会議員
野村 静教組女性部長より、以下のような本集会の基調提案を行いました
本集会のスローガン「子どもたちに しあわせな未来を~守ろう 平和・人権・教育~」のもと、子どもたちの命と未来を守る思いを大切にしてきた
今までも多くの命が戦争によって奪われているからこそ、すべての人の人権が守られる社会、そして平和をめざすことの重要性を強く感じる
保護者、地域、教職員が、それぞれの立場で子どもたちにできることを考え、語り合っていくことが大切
すべての子どもが「居場所がある」と思いながら学べるかんきょうを、周りにいる大人たちが作ることこそが、私たちに問われている
続いて、松尾由希子 愛知大学文学部教授より、
「子どもが自分らしくいられるために~子どもが安心して気持ちを伝えられる関係づくり~」
をテーマに講演をいただきました
1 子どもの権利条約について
2 日本における「子どもの権利条約」の現状
子どもの権利条約第12条「子どもが自由の意見を表す権利」は、家庭で実行されているのだろうか…「こどもにとっての最もよいこと」について、子どもと保護者で話す必要がある
3 子どもの「自由な意見表明」を、大人はどうとらえてらよいか?
子どもの権利条約第12条「子どもが自由の意見を表す権利」は、学校でどのように捉えられてきたのだろうか(例:子どもは「自由」を「正しく」捉えられない?学校の荒れにつながる?)
子どもとの対話によって、教育者は成長する…対話によって「みんなのために、自分のために、どうするのが最善か?」を考える
社会には大人と子どもが存在する…大人にとって、子どもは現状をよりよくし、問題解決していくための頼もしいパートナー
4 マイノリティの子どもも“見えない”ことにしない
マジョリティ前提の学校や社会…大多数の人は「自分は差別をしたくない」「すべての人を尊重したい」が、偏見や差別は根強い
ほとんどの子どもがカミングアウトしていない…本当の自分を出せない、自分のことを嫌悪するようになる
マイノリティの子どもが安心して話せるために…「子どもが話しにくいからこそ、発言により気を付ける」「“ふつう”のあり方を問い直す」「話そうと思うまで、待つ姿勢・体制づくり」
マイノリティの子どもと接する教育者に必要なこと…「自分の意見を表明できる力を育む」「相談がなくても、当事者がいるという意識をもつ」
最後に、「これまで『子どもの意見表明権』を見過ごしてきた点と、どのようにしたら一歩前にすすめると思ううか」について、参加者どうしで話合いを行いました
午後は分科会に分かれ、協力者の提案をもとに、参加者による意見交換を行いました
第1分科会 小学生
第2分科会 中学生
第3分科会 子どもと人権
第4分科会 子どもの安全と健康
第5分科会 子どもと社会
第6分科会 子どもと環境
第7分科会 両性の自立と平等
休憩時間も話が弾み、笑顔で会話をされる様子がどの分科会でもみられ、地区の違いや保護者・教職員・退職者という立場の違いを超えて、社会的対話を行うことができました
静教組では、今後も社会的対話を通して、子どもたちのため、子どもたちが生きる未来のためのとりくみをすすめていきます