第1903号2013年2月25日
"失敗できない"がキーワード 教職員のストレス要因について考えよう!

教育研究所「未来の教育を考える会」 第8回ミニシンポジウム開催

教育研究所は、2011年度・2012年度2年間で「教職員のストレス要因に関する調査」を実施しました。

2月9日(土)、その結果をもとに、各支部役員30人と養護教員、事務職員、栄養教職員の組合員11人の参加のもと、第8回ミニシンポジウムが沼津教育会館(沼津市)にて開催されました。

今回は、静岡大学人文学部教授の荻野達史さんをコメンテーターに迎え、「教職員のストレス要因に関する調査結果」について事務局から基調提案をしました。基調提案は、ストレス要因に関わる3つの視点と専門職の視点に絞って行われました。

視点T:増えている仕事 〜子どもと触れ合う時間がとれない〜
視点U:難しい学級の運営 〜子どもや保護者との関わり〜
視点V:一人職の抱えるストレス 〜同僚としてのつながりを〜
視点W:身近な人とのつながり 〜ストレスを緩和する同僚の存在〜

基調提案の後、視点ごとの分科会に分かれ、調査結果をもとに議論がすすめられました。

どの分科会においても、具体的な事例やそれぞれの思いなどが積極的に出され、あっという間に話し合いの時間が終了しました。

分科会終了後の全体会では、荻野さんから、「社会や保護者からの教育に対する要求が拡大し、試行錯誤や失敗が許されない状況にある。若い人が育つために必要な失敗体験だけでなく、成功体験もできにくくなっている。学校がいろいろなものを受け入れ過ぎではないか。同僚とコミュニケーションすらとる時間がない。バーンアウト・ストレス研究では、仕事の輪郭がはっきりしない(自分の役割がわからない、仕事の優先順位がつけられない)ことがストレスに影響していると言われている。"失敗できない"状況をどういうところからどう対処するかが課題である」との言葉があり、このミニシンポジウムを通しての課題・キーワードは"失敗できない"ではないかとご示唆いただきました。

大きなテーマである今回のシンポジウムはまだまだ話し足りないといった参加者の声の中、終了しました。

=参加者の感想より=

  • 「失敗しない」という思いはどの職種にも共通するし、自分も常に心のどこかに置いてあるフレーズでとても共感できました。失敗しないと思っていても、失敗してしまうので失敗しても取りもどせる職場になんとか変えていかなければならないと思いました。
  • 今回一人職の方の様子について話を聞けたことが一番よかったです。同じ学校にいながら、なかなか話ができなかったり文書回覧・会議内容伝達不足だったりとストレスを生み出す要因を自分自身がつくり出してしまっているということに気づきました。