第1894号2012年10月10日
オーストラリアも日本も子ども・教育への熱い思いは同じ
−オーストラリア教育組合ビクトリア支部来静−

9月25日(火)、メアリー委員長を団長とするオーストラリア教育組合(AEU)の組合員17人が来静しました。滞在期間中、静岡県教育委員会表敬訪問、静教組との教育協議会、ホームステイ、学校訪問等を行い、様々な形で交流を深めることができました。

9月26日(水)に静岡県教育会館で開催した教育協議会では、AEU・静教組の組合員以外にも、県PTA連絡協議会や県校長会の代表者が参加しました。AEUからは「ビクトリア州における教育の実態について」、静教組からは「静岡県における教育の現状と課題について」基調提案をした後、3つのグループに分かれて協議をしました。オーストラリア、日本それぞれのいじめへの対応の仕方、子どもたちのコンピュータや携帯電話の利用の実態、キャリア教育や学級規模や教職員の人数など話題は多岐にわたり、積極的に情報交換ができました。

オーストラリアの教育実態 〜ブライアンAEU書記長基調提案より〜

オーストラリアの教育制度

オーストラリアは連邦制度の国であり、6つの州(state)と2つの準州(territory)の政府も一定の権限をもっている。教育は州が管轄しているが、予算は連邦と州の両方がもっている。つまり、8つの異なった教育システムが存在している。

しかし、国レベルで全国統一カリキュラム設置や全国学力調査実施の動きが見られる。生徒の成績を用いた学校評価ランキングについてAEUは、生徒、教員、学校の名誉を守るよう求め、政府と交渉している。

ゴンスキー・レポート (教育予算配分の見直し)

すべての生徒が住む場所や通う学校に関わらず国際的基準に照らして平等な教育を受けられるための連邦政府による報告書。学校予算の大幅な増額が勧告される。(公立学校の教職員増員、学習内容の充実、学校施設のレベルアップなど) 

テイフ(TAFE)

専門技術教育機関。

30万人近くの若者が教育や就業の機会を得るため、テイフに通っている。しかし、予算削減により、講座の打切り、学校の閉鎖、教員の失業が出ており、AEUが政府に強く抗議している。

静岡県における教育の現状と課題 〜関口静教組執行委員基調提案より〜

少人数学級(35人学級)
外国語活動
キャリア教育
子どもの命を守る教育(防災教育・いじめ問題)

ホームステイで心と心の交流

9月27日(木)から30日(日)までAEU組合員はホームステイを経験しました。今回は西部ブロックで受け入れをしていただき、掛川駅、浜松駅でホストファミリーと対面しました。緊張しながら新幹線を降りたAEU組合員の皆さんは、ホストファミリーの方々と出会うとすぐに笑顔に変わり、和やかな雰囲気でホストファミリー宅に向かいました。

9月28日(金)には、学校訪問をしました。授業参観や子どもたちとの交流をしながら、日本の教育現場を体験しました。学級のみならず、学年での活動で自己紹介やオーストラリアの紹介をしたり、外国語活動の授業で持参した英語の本を紹介したり、英語のゲームを楽しんだりしたAEU組合員もいて、それぞれに充実した日本の学校での1日を過ごしました。週末をホストファミリーと過ごし、別れの場面では、涙を流し、名残を惜しんでいる姿もありました。短期間でしたが、思い出に残るホームステイになったようです。