第1892号2012年9月10日
第15回オーストラリア教育体験視察と交流の旅

2012.8.10〜8.17

学校訪問・教育交流を通して、子どもや教員の実態を知ったり、教育システムや教育内容等を学んだりして見聞を広めることを目的に、「オーストラリア教育体験視察と交流の旅」が行われました。静教組(STU)とオーストラリア教育組合(AEU)ビクトリア支部との教育交流は、今年で15回目となります。今回は、鈴木伸昭静教組執行委員長を団長に、STUから19人が参加しました。

南半球にあるオーストラリアでは、冬が終わりに近づき、国の樹であるワトルがあちらこちらで黄色い花を咲かせ、春の訪れを告げていました。

団員はビクトリア州都メルボルンの郊外でホームステイしたあと、メルボルンに移り、AEUビクトリア支部との教育交流を行いました。私たちと同じ立場である、オーストラリアの教職員と語り合ったり、オーストラリアの自然・文化に接したりするなど、数々の貴重な体験をした8日間の旅でした。

=ホームステイ=

メルボルンから車で約2時間のところにあるベンディゴ周辺で、教員のお宅に2日間ホームステイしました。ベンディゴはゴールドラッシュで賑わった町で、金鉱跡が残っています。自然豊かな場所であり、カンガルーなどの野生動物を見ることができます。

ホストファミリーは、たいへん温かく団員を迎え入れ、細かい心遣いをしてくれました。また、夫婦が家事を分担して、それを子どもたちが手伝ったり、会話を楽しみながら家族そろって食事をしたりするなど、家族のつながりを大事にしている様子がうかがえました。

ホストファミリーに会うまでは不安そうだった団員も最後には抱き合って別れを惜しむといった光景が見られ、ホストファミリーとの交流を深めることができました。言語や生活習慣が異なっていても、相手を知ろうと思えば、心が通じると感じた団員も多くいました。

=学校訪問=

ホストファミリーの勤務先の学校を訪問しました。日本の小学校にあたるプライマリースクール6校と、中学・高校にあたるセカンダリースクール4校に分かれ、授業や学校の施設を見学しました。

1クラスの人数は20人程度と少なく、教師も子どもたちもゆったりとした雰囲気で、学習にとりくむ姿が見られました。また、どの教室にも電子黒板が設置されていたり、生徒1人1台のコンピュータが用意され、調べ学習の際に自由に使えるようになっていたりと、ICT環境の整備がかなりすすんでいました。

見学だけでなく、実際に授業を行った団員も多く、折り紙や習字の道具等を用いて日本文化を紹介したり、質問に答えたりして、子どもたちと交流しました。

=教育交流会=

AEUビクトリア支部において、教育交流会を行いました。

全体会では、ビクトリア州教育省のスティーブ・ハーバート政務次官から温かい歓迎の挨拶をいただいたあと、AEUからビクトリア州の教育制度や学校協議会などについての説明を受けました。

2つに分かれての分散会では、「それぞれの国が抱える教育課題について」をテーマに、学校と保護者、学校と地域、保護者と地域の連携について現状と課題を参加者が報告し、オーストラリアの状況を聞きながら、活発な意見交換をしました。それぞれ課題を抱えながらも、子どもたちのためにと教育にとりくむ教職員の熱意は同じだと感じることができました。