第1887号2012年6月25日
親も子も「めんどくさい」を乗り越えて (県PTA会長との対談)

5月29日(火)に静教組委員長室において会談を行いました。2011年度に続き2回目ということもあり、打ち解けた雰囲気の中で、静教組立教育研究所で発行された所報「子どもの人間関係づくりに関する調査」(2011年3月)から話が始まりました。

鈴木:

子どもたちは 友達とのトラブルにきちんと向き合う様子が見られるなど、健全に成長していることが調査結果から明らかになっています。しかし、面倒なことを乗り越える経験が最近減っているため、その機会を意図的につくる必要があることも報告されています。一歩踏み出す努力をしてその先にある達成感を経験しないと「めんどくさい」を乗り越える力がつきません。つまりそこにやりがいがあることを覚えていれば、「めんどくさい」ことでもやってみようとする気持ちになるだろうということなのです。

佐野:

子どもの向上心につながるようなことをしていかないとだめだということですよね。今、何でも手助けしたり、やりすぎたりする親が見られます。自分でやってみようとする気持ちにさせないといけないということですね。

鈴木:

子どもたちが何かやる時に、しばらく手を出さずに待っていてあげるという辛抱強さが大人にも必要だと思います。

佐野:

面倒というのが大きな問題ですね。活力もチャレンジ精神もなくなるし、引きこもる要素の一つにもなります。

「めんどう」を乗り越える姿を見せることが大切

佐野:

PTA活動も同じです。最初は面倒と思っていても達成感を得たり、友人が増えたりするとやってよかったとなるのです。だから子どもとまったく同じだと思いますね。

鈴木:

今、PTAの話になりましたが、本年度は「子どものいのち」をテーマにとりくみをすすめているということですが・・。

佐野:

まずは防災教育が重要な課題だと考えますが、それだけでなく、いじめ問題とか自殺が年間3万人超えるという世の中で、子どもたちにどのように命の大切さを教えていくかを親の立場から考えています。

鈴木:

防災教育もいろいろ突き詰めていくと最終的にはその時々に適切な判断ができる力を身につけることだと思います。適切な判断力というのは、試行錯誤しながら、失敗と成功を重ねつつ自分で得ていくものだということになります。

佐野:

やはり面倒なことを乗り越えるということですね。

鈴木:

私たち大人が、「めんどくさい」ことを乗り越えていく姿を見せることが、子どもを育てるときに必要だと思います。いくらえらそうなことを言っても、実際にやっていることを子どもは見ています。そしてそこから学んでいきます。

佐野:

今の子どもたちのために、大人がどうあるべきかということを考えていかなくてはいけませんね。

鈴木:

今後もざっくばらんに話し合いをしていきましょう。