第1886号2012年6月10日
未来を創る運動 第99回静教組定期大会

5月25日(金)、第99回静教組定期大会が静岡市・労政会館で開催され、2012年度の運動方針・予算などが承認されました。大会には、来賓として連合静岡会長吉岡秀規さん、県P連会長佐野嘉則さん、県議会議員佐野愛子さんなど34人の方をお迎えし、各支部からは、代議員251人(内女性78人、女性参画率31.1%)が出席しました。2012年度運動方針の質疑討論では、数多くの質問、意見が出され、熱い議論が交わされました。大会の終わりには、「主体的・創造的な教育」「同僚性の確立」などの内容を盛り込んだ大会宣言が採択されました。

委員長あいさつ(要旨)

東日本大震災から1年が経ったが、改めて「できる人ができることを」を合い言葉に可能な支援活動を地道に継続していく。また、被災地の教訓を生かすこともまた重要なことである。

子どもたちの健やかな成長につながる民主的な教育をめざし、自主的な教育実践の交流を通した力量形成や豊かな教育環境実現に向けた運動を2012年度も重点としてとりくんでいく。2011年度の静教組立教育研究所調査で、静岡の子どもたちが極めて健全に人間関係を見つめ、必要な気遣いはあっても意見を表明することの大切さや、相応の自己肯定感をもち得ているという結果が出た。この事は、静岡の家庭・地域・学校の教育力が健全に機能していることを示しているとも言える。大阪の教育基本条例を発端にマスコミを通じて伝わってくる大変乱暴な教育論には危惧の念を抱かざるをえない。県内においては教育行政のあり方を見直すとの動きがあるが、教育現場への負の影響が及ぶことのないよう対応していく。豊かな教育環境実現に向けたとりくみについても、35人学級を始め必要な支援を要する子どもたちへの人的配置を、広範な世論形成を背景に、教育行政や政治の場への訴えを一層強めていく必要がある。教育に対する要請が高まる中で、何らかの歯止めをかけなければ、教職員の心身はさらに悪化していくことが予想される。さらに、高齢雇用問題も関わってくる。ベテラン層の豊かな経験に基づく力量が十分に発揮できる環境づくりと私たち自身の意識啓発・意識改革が必要である。同時に、若年層の採用確保と円滑な世代交代も大きな課題である。

私たちの運動は過去から現在へ、現在から未来へと常に続くものであり、その時その時が常に「未来を創る運動」である。組合は必要があって存在する。教育界そして社会全体を見渡せば、個の力だけでは変えることのできない課題は依然としてある中、連帯し協力し合うからこそできることを確かめ合い、運動をすすめていこう。