第2106号2021年9月25日
専門部NEWS 養護職員部

「養護教員部」の活動について

養護教員部は、@子どもの人権を大切にした学校保健・健康教育の確立、A組織強化・拡大、B職務・労働条件の改善、C専門職としての力量向上を柱に活動しています。

養護教員部実態調査を組合員以外の方も含め、すべての養護教員を対象として実施しています。その結果をもとに課題を精査し、県や市町教委等に対して改善を求めています。組織率の高さ(8月現在86.9%)が、要請・交渉の際に「多くの養護教員の声」として説得力をもつことになります。

毎年「静教組養護教員部研究集会」を開催し、県下各地の養護教員が単組委員長・支部長等を交え意見交流しています。また、子どもと健康研究フォーラム等の全国規模の研究集会に積極的に参加し、力量向上に努めています。

※2021年度は、新型コロナウイルス感染拡大のため静養研は中止となりました。

養護教員をとりまく課題

養護教員の全校配置・複数配置基準引下げ、学校におけるフッ化物の集団使用、学校保健安全法改正に伴う健康診断の実施など、多岐にわたる課題が山積しています。また、新型コロナウイルス感染症対策のため、校内の消毒など、これまで以上に心身の負担が大きくなっています。

養護教員は、すべての子どもたちの命や健康に関わり、子どもたちの安全で安定した学校生活を支えています。養護教員をとりまく課題は、養護教員だけの課題ではありません。教職員全体の課題として、すべての教職員で理解を深め、協力してとりくみをすすめることが大切です。

フッ化物使用の課題とは

フッ素洗口・フッ素塗布って何?

どちらもフッ素によってむし歯を予防しようとするものです。フッ素洗口とは、フッ素を含む水溶液を口に含み1分間ブクブクうがいをした後、吐き出して30分間は飲食せずにいる方法です。フッ素塗布とは、歯1本ずつに綿棒や歯ブラシでフッ素を塗る方法です。フッ素が歯の再石灰化をすすめること、歯の表面をコーティングすることでむし歯にならないという理論です。

フッ素ってむし歯予防に効果があるの?

フッ素の効果については、様々な立場の意見があります。フッ素が劇薬であることなどから、安全性については専門家でも意見がわかれます。フッ素洗口の有無にかかわらず、むし歯の本数は年々減少傾向にあります。また、現在増えている歯周病には、フッ素の効用はありません。

2021年度は、県内小中学校のうち55校でフッ化物の集団使用(フッ素洗口・フッ素塗布)が行われています。また新たに導入を考えている地区もあります。新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、学校で集団フッ素洗口を実施することで、飛沫による感染を拡大する恐れもあります。

静教組の考え…学校は医療の場ではなく教育の場です。

  • 学校にはアレルギーや腎疾患など様々な配慮を必要とする子どもがいます。一人一人に慎重に対応している中、集団で薬品を口にするのは危険が伴います。
  • フッ素洗口・フッ素塗布を実施するかどうかは、保護者の責任のもと各家庭や医療機関で実施すべきことです。
  • 学校におけるフッ化物の集団使用の実施にあたっては、保護者・学校の同意が必要です。
  • 効果だけではなく副作用についても説明された上で十分な検討が必要です。
  • 学校で行うべき健康教育は、薬に頼るむし歯予防ではありません。
  • むし歯は減少してきています。集団で薬品を使用し予防する必要はありません。むしろ、むし歯より、フッ化物では予防できない歯列や歯肉に関する疾患について課題が多いです。