第2042号2018年12月10日
STUコラム 〜私たちの「One for all, All for one」〜

2019年に日本でラグビーワールドカップが開催されます。静岡県でも小笠山総合運動公園エコパスタジアムを会場に試合が予定されています。高校生活の3年間、部活動でラグビーに励んでいた自分としては、静岡県で開かれる世界的イベントが楽しみでなりません。ラグビーに関するフレーズに「One for all, All for one」というものがあります。有名なフレーズなので、耳にしたことがある方も多いと思います。私はこのフレーズが好きで、学級通信のタイトルに使うなどして、子どもたちに集団で生活する上での大切な事を伝えています。

さて、この「One for all, All for one」というフレーズには2つの意味があります。1つは「一人はみんなのために、みんなは一人のために」という意味です。ラクビーは1チーム15人のスポーツです。体格や技術、パワーやスピードがそれぞれ違う15人ですが、仲間であるチームメイトとの信頼関係に基づいて、チームは成り立っています。その根底には、お互いを支え合う気持ち、そして仲間に対する敬意が存在しています。

そして、困ったときには、お互いをフォローし合うという事も重要です。スポーツの世界では、作戦通りに物事がすすみさえすれば、順調に勝利に近づいていくのですが、そうもいかないケースがたくさん出てきます。ラグビーにおいても、突如として想定外の事が起こり、トライにつながらなかったり、相手にボールを奪われてしまったりすることもしばしば。そのような時に、うまくいかないケースを常に想定しながら、仲間をフォローする態勢が整っているかどうかが、本当のチームの力の見せどころとなります。仲間どうしの信頼はなにものにも代えがたいです。誰かが困ったときにこそ、みんなで助け合うことができる組合活動における相互扶助の精神にも通ずるなと思います。

もう1つの意味は「一人はみんなのために、みんなは一つの目的のために」という意味です。ラグビーの目的はトライを重ね、チームを勝利に導くことですが、1つの目的達成に向けて、みんなでとりくんでいくという姿勢もまた、組合活動に通ずるものです。静教組運動における1つの目的とは、例えば「子どもたちのゆたかな学び」であったり、「豊かな教育環境の実現」や「教職員の勤務条件の改善」であったりするわけですが、この目的達成のために、みんながそれぞれの役割をしっかり果たす事が重要となります。

ラグビーでは、ポジションごとの役割が明確に決まっています。チームの勝利という目的達成のためには、時には自分が先頭に立ち、時には自分がフォロワーとなり、泥まみれになりながら、一人一人がポジションごとの役割を果たすことが欠かせません。組合活動も同じで、一人一人が当事者意識をもち、それぞれが担う役割への責任をもちながら、みんなで同じ方向を向いてとりくんでいくことが大切です。分会の中で、単組・支部の執行部の中で、静教組中央執行部の中で、一人一人が置かれた立場と託されたポジションは異なりますが、静教組運動の目的の達成に向かって、組合員みんなで一致団結し、強固なスクラムを組んでとりくんでいきましょう。

私自身も組合活動の歴史とそれを支えてきた先人たち、そして現在の仲間たちに敬意を払い、「One for all, All for one」の精神で、現在そして未来の静岡の子どもたちと教職員のために、今後も力を尽くしていきたいと思います。ともにがんばりましょう。

(静教組中央執行委員長代行・静清教職員組合執行委員長 美松 光輝)