第2017号2017年9月10日
国境を越えて教育を語らう 第20回オーストラリア教育体験視察と交流の旅

学校訪問・教育交流・ホームステイを通して、子どもや教職員の実態を見聞きしたり、教育システムや教育内容等を学んだりしながら視野を広げ、自身が豊かな体験を得ることで教職員としての力量を高めることを目的に、第20回オーストラリア教育体験視察と交流の旅が実施されました。今回は、静教組 鈴木伸昭 中央執行委員長を団長に18人が参加し、現地ではオーストラリア教育組合(AEU)ビクトリア支部との教育交流が行われました。

団員は、ビクトリア州都メルボルンから約150km内陸に入ったベンディゴを中心とした地域で2泊3日のホームステイと学校訪問をしました。その後メルボルンに移り、AEUビクトリア支部との交流を行いました。

=ホームステイ=

メルボルンから車で約2時間のところにあるベンディゴという町周辺で、AEUの教職員のお宅に2泊3日でホームステイを行いました。

最初は不安そうだった団員も、ホストファミリーに温かく迎えられ、各家庭で過ごしました。最後には抱き合って別れを惜しむ光景が数日間の貴重な交流の様子を物語っていました。言葉ではなく、相手のことを理解しようとする心や積極的に関わり合おうという気持ちの大切さを実感することができました。

=学校訪問=

ホストファミリーの勤務校を中心に訪問しました。日本の小学校にあたるプライマリースクールや中学・高校にあたるセカンダリースクール、特別支援学校などに分かれ、授業や学校の施設を見学したり、子どもたちとの交流を行ったりしました。

教職員も子どもたちもゆったりとした雰囲気で、学習にとりくむ姿が見られました。子どもの感性や思いを大切にしながら、一人一人のニーズに応え、将来の自立につながる教育課程や授業のあり方を見て取ることができました。

=教育交流会=

全体会では、ビクトリア州教育省ケイティ・ヘアーさんや松永一義在メルボルン日本国総領事から温かい歓迎のご挨拶をいただいたあと、AEUからビクトリア州の教育や現状についての説明を受けました。

分散会では、「それぞれの国が抱える教育課題について」をテーマに、訪問したオーストラリアの学校の状況と自分の学校のとりくみを比較しながら、意見交換をしました。子どもたちの学力や授業形態、教職員の働き方など多くの点について、時間いっぱいまで熱心な協議が続きました。

団員の感想

  • 子どもたちが、将来どうなりたいかということを意識しているので、そのためにどんな学習が必要なのか考え、生き生きと授業を受けていた。
  • 多文化・多国籍の子どもたちに対する教育を知ることはとても勉強になった。個へのあり方、授業形態など参考にしていきたい。
  • 百聞は一見に如かずで、学校訪問で日本との違いや双方の良さを感じることができた。当たり前だと思っていたことがそうばかりではないことを実感し、視野が広がった。
  • ホストファミリーが本当に温かく受け入れてくれた。オンとオフのメリハリのある働き方を学べた。それは家や友人を大切にすることにつながっていると思う。
  • 国は違っても、子どもの成長を願う気持ちや教育に対する情熱は共通だと感じた。