第1967号2015年10月25日
子どもたちにしあわせな未来を ―守ろう 平和・人権・教育―
第40回母と女性教職員の会静岡県集会

第40回母と女性教職員の会静岡県集会が、10月10日(土)静岡市にある男女共同参画センターで開催されました。県内各地から保護者・教職員・退職された女性教職員など、男女合わせて総勢380人が参加しました。

全体会では、鈴木伸昭執行委員長が挨拶の中で「子どもの貧困率」の調査結果について触れ、「この問題の特徴は、データの示す『貧困』が具体として見えにくいことにある。見えにくいからこそ根が深く、関心を寄せるべき問題である。」としました。

基調提案では、左右田女性部長から集会発足の経緯についての説明の後、「子ども時代における話や出来事、感動体験は、大人になってからも心に残る。子どもに対する大人の関わり方はとても大切であり、一人一人のよさを捉え、伸ばしていくのが私たち大人の役割ではないか。」と呼びかけがされました。

講演「子どものコミュニケーション能力を伸ばす環境を作ろう!」

講師の矢沢久美子さん

静岡市スクールカウンセラーであり、NPO法人アサーティブジャパン認定講師の谷澤久美子さんが「子どものコミュニケーション能力を伸ばす環境を作ろう!」という演題で講演をしました。

講演では、身近な大人が子どものコミュニケーション能力を伸ばすために、大人ができることについて具体的な提案がされました。

  • コミュニケーションに大切なのは質より量であるが、大人は子どもに対して「比較」「無関心」「危機感をあおる」などの10種類以上の「凹ませトーク」を日頃からうっかりとやってしまっている。
  • 「凹ませトーク」を受けた子どもは、自分を守ろうとしてコミュニケーションの量が減る。
  • 大人は、子どもの話を最後まで聴くことが大事。
  • 子どもは自分だけの気持ちや考えを受け止めてもらえた経験を積むと、感情に振り回されずにコミュニケーションできるようになる。

参加者からは「話を聴いてほっとして涙が出てしまった。」「自分の気持ちを言語化することから始めてみよう。」と言う声が挙がっていました。谷澤さんの飾らない人柄と子どもたちとの関わりに笑い、また、心に響くエピソードや谷澤さん自作の詩に思わず涙した90分間の講演でした。

分科会 〜子どもの育ち、地域、家庭のあり方について考え、語り合う〜

午後は、テーマごとに9つの分科会に分かれました。各分科会では、保護者と教職員による司会進行のもと、それぞれの分科会のテーマに関わる保護者からの提案を受けて、参加者による活発な協議や意見交換が行われました。保護者と教職員がそれぞれの立場から子どもの育ちや地域、家庭のあり方について考え、語り合う有意義な機会となりました。