第1960号2015年7月10日
これからの静岡に求められる教育
県PTA連絡協議会・県校長会・静教組による 第1回静岡県三者連絡協議会開催

6月11日(木)に静岡県三者連絡協議会が開催されました。三者連絡協議会とは、県P連、県校長会、静教組の三者が、教育のあり方について真摯に話し合い、静岡の教育をよりよいものとしていきたいとの考えから、1998年に発足したもので、今回で18回目を迎えました。年に2回行われるこの協議会は、子どもたちが生き生きと活動できる学校を創りあげるための手だてや、各地域や学校で保護者や地域の方々と教職員が対話と交流を深める具体的な方策を話し合うことが目的です。子どもたちの健やかな育ちや確かな学びを願う、それぞれ異なる立場の三者が顔を合わせ意見交流することは、よりよい学校教育をめざす上で大変意義があります。

▲林剛史 義務教育課長

今回は静岡県教育委員会 林剛史 義務教育課長に「これからの静岡に求められる教育」と題してご講演いただきました。

講演の中では、最初に義務教育課長として赴任された1年間を振り返るとともに、「高度情報化のすすむ中、情報公開のあり方や説明責任の果たし方はどうあるべきなのか」「学校現場や教員の役割が変化していること」について感じていることを伝えていただきました。

国の教育改革の動向としては、教育委員会制度改革のポイント、今後の英語教育や道徳教育のあり方、小中一貫教育等について説明していただきました。また、多くの業務を抱える学校現場への対策として「チーム学校」の考え方を挙げ、専門スタッフやサポートスタッフ等の充実により、教員が授業や学級経営、生徒指導に専念できる体制づくりをすすめようとしていることについても、お話がありました。

静岡県の教育の動向と2015年度の展望として、子どもたちの「確かな学力」の育成のために引き続き「授業改善の視点」の浸透に努めること、コミュニティ・スクールを含めた地域とともにある学校づくりをすすめていくことを挙げ、「オール静岡」という機運でとりくむことの必要性についてお話をいただきました。

最後に、子どもたちのゆたかな学びのために、参加した三者への期待を述べられました。

講演を受け、全体会で意見交換を行いました。「以前に比べて教員の役割が増えている現状についてどう捉えているか」という話題が中心となり、校長会からは「子どもたちに必要となれば、○○教育という形で次々と新しいものが導入されてくる。」「学校にたくさんの役割が増えているのに、定数が改善されないのが問題。『チーム学校』は、国がやっと役割分担を考え始めたと感じる。」、県P連からは「保護者から見ても、先生方の多忙な現状は感じている。親や地域でできることがあるのではないか。」「一方的な関係ではなく、『一緒にやっていきましょう』というスタンスでできるようにしたい。」「PTAは学校の最強の応援団として、役割を果たしていきたい。」というような意見が出されました。会を通じて、それぞれの立場で、「オール静岡」となって静岡の子どもたちを育てていくことを確認し合いました。

次回は、12月に静岡市内の学校を会場に、授業参観や意見交流を行う予定です。