
第2134号2022年11月25日
第72次教育研究静岡県集会分科会開催
3年ぶりの対面開催で熱心な討論

10月22日(土)、第72次教育研究静岡県集会が静岡市内民間施設等5か所を会場に対面で行われました。新型コロナウイルス感染症拡大により第70次は中止、第71次はオンライン開催となりましたが、第72次は感染症対策を講じながら分科会を開催することができました。
赤池浩章中央執行委員長は書面によるメッセージで、「県教研は行政研修とは異なり、いわゆる『指導者』は存在しません。司会者・共同研究者を含め、参加者すべてが同じ立場・ルールで自由闊達に思いや考えを述べ合うことを保障しています。皆様にとって有意義な一日となることを心より願っております。」と参加者に訴えました。
当日は24の分科会(うち2つは小分科会)に分かれ、合計170本のリポートが発表されました。3年ぶりの対面開催となり熱い討論が行われました。分科会責任者、推進委員及び共同研究者のご協力により正会員をはじめとする参加者から大変有意義な時間だったという感想が多数寄せられました。
170本
分科会名 | 名前 | 単組 支部 | 分会名 | |
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1 | 日本語教育 | 増田弦己 | 田方 | 土肥小中 |
2 | 外国語教育(小学校) | 鈴木陽介 | 磐周 | 豊田東小 |
外国語教育(中学校) | 佐藤 津 | 賀茂 | 河津中 | |
3 | 社会科教育 | 大宮英揮 | 磐周 | 浅羽中 |
4 | 数学教育 | 平井可奈子 | 田方 | 天城中 |
5 | 理科教育 | 佐藤沙織 | 志太 | 島田第一中 |
6 | 美術教育 | 根岸康三 | 三島 | 錦田小 |
7 | 音楽教育 | 上田有紀 | 志太 | 藤枝中 |
8 | 技術科教育 | 樋口大輔 | 駿東 | 原里中 |
9 | 家庭科教育 | 松下枝理香 | 田方 | 函南東中 |
10 | 保健 | 山本慶子 | 賀茂 | 南中小 |
11 | 体育 | 西尾和也 | 静清 | 大川小中 |
13 | 自治的活動と生活指導(小学校) | 若宮誠司 | 東豆 | 八幡野小 |
14 | 自治的活動と生活指導(中学校) | 山田芳行 | 静清 | 清水二中 |
15 | 総合学習 | 栗原敏史 | 榛原 | 吉田中央小 |
16 | 国際連帯と平和、人権、環境 | 梶山高秀 | 静清 | 井川小中 |
17 | 特別支援教育 | 松本恭子 | 榛原 | 吉田中 |
18 | 両性の自立と平等をめざす教育 | 浅井大輝 | 田方 | 韮山南小 |
19 | 情報化社会と教育 | 八木光隆 | 榛原 | 中川根第一小 |
20 | 民主的学校づくりと教育条件の整備 | 柴 創太 | 榛原 | 吉田中 |
21 | 教育条件の整備(事務) | 本多昂介 | 浜松 | 神久呂中 |
2-22 | 地域における教育運動 過密・過疎、小規模 | 酒井信一 | 静清 | 服織小 |
23 | 教育課程(カリキュラム)づくりと評価 | 八木聖二 | 磐周 | 長野小 |
12 生活科分科会 オブザーバー 小林直恵(志太・豊田小)
※今年度の全国教研では、生活科はオブザーバーとして参加

静教組 中央執行委員長
赤池 浩章
多くの子どもたちは学校の“日常”をコロナ禍の中で過ごしており、社会性等の成長に与える影響が懸念されます。また、学習においてもICTの導入による「個別最適化」が急速にすすめられる中、これまで学校教育が大切にしてきた“学び合い”や“協力・協働”といった文化との融合をどのように図るかを考える必要もあります。社会においても学校教育においても“ウィズコロナ”や“アフターコロナ”は元に戻すことではなく、まさに『不易流行』の考え方が求められると考えます。そこで、今次教育研究活動のすべてはコロナ禍での実践であり、学校現場における課題や工夫をリポートとして形に残すとともに、子どもたちが生きる未来を見据えた討論が今こそ大切であると考え、対面開催に至った次第です。
静教組の教育運動の根幹は教育研究活動です。本日の分科会で報告された実践や討論された課題や方向性が、今後の静教組の教育運動の屋台骨となります。また、県教研は行政研修とは異なり、いわゆる「指導者」は存在しません。司会者・共同研究者を含め、参加者すべてが同じ立場・ルールで自由闊達に思いや考えを述べ合うことを保障しています。皆様にとって有意義な一日となることを心より願っております。
※【不易流行】いつまでも変化しない本質的なものを忘れない中にも、新しく変化を重ねているものも取り入れていくこと。〔三省堂新明解四字熟語辞典より抜粋〕
各分科会で熱い討論 〜参加者の声


- 1日、静岡開催ではあったものの対面で開催できたことが一番の成果であったと思います。休憩時間のたびに、あちらこちらで相談・質問をする姿が見られました。オンラインでは見ることができない姿であったと思います。久々の顔を合わせての教研に参加してその価値を再認識しました。
- 赤池委員長のメッセージにある通り、この県教研のよさについて改めて実感したところです。子どもたちの学びについて、いろいろな角度から考えるよい機会となりました。
- さっそく実践していきたいと思う内容ばかりでした。算数の授業も数学の授業に生かせると思いました。(数学教育分科会)
- 外国語教育については、この3年間で大きな変化をとげています。小学校5・6年生の教科化・教科書導入、そしてICT。その中で9本のリポートの発表があり、実り多い時間となりました。(外国語教育分科会)
- 子どもの自己肯定感や自己有用感を高めるために必要なことは何なのかをたくさんのお話の中から学ぶことができて、非常に勉強になりました。(自治的活動と生活指導分科会)
静岡市内民間施設での開催にあたり、担当支部となった富士支部の皆さん、各単組・支部より選出された分科会責任者の皆さんのご協力により、全日程を円滑にすすめることができました。また、正会員・共同研究者・推進委員をはじめとした参加者のみなさんの熱心な討論により、教育研究が深まりました。本当にありがとうございました。研究成果が多くの方に共有され、今後も各分会で教育研究活動が推進されることを期待しています。
