
第2116号2022年2月25日
すべての子どものゆたかな学びを保障する自主的・組織的な教研活動の充実を!
〜 日教組第71次教育研究全国集会 〜
1月28日(金)〜30日(日)の3日間、第71次教育研究全国集会がオンライン開催されました。昨年度は中止となった分科会も2年ぶりに開催され、全国からのべ6,000人が参加しました。静岡からは、第71次教育研究静岡県集会の各分科会において選出された24人が、リポーターとして全国の仲間と実践交流をしました。
1月28日の全体集会では、清水秀行日教組中央執行委員長が主催者を代表してあいさつし、「2年に及ぶ新型コロナウイルス感染症の影響によって、学びの機会が制限され、子どもたちは大変な我慢を強いられたり、心身のストレスや将来への不安を抱えたりしている。教職員は、そうした子どもたちに寄り添い、安心・安全な環境の維持に努め、様々な課題に直面しながらも、ゆたかな学びのために日々の教育活動を行ってきた。このような時だからこそ、子どもたちにゆたかな学びを保障する教育実践について、全国の教職員が集まり、現場の状況やとりくみを共有し議論する場として、全国教研の果たす役割は大きい」と述べました。
また、日本大学文理学部教授広田照幸さんによる「夢と希望をもって教育を考えていくために −社会の変容と教育 −」と題した記念講演が行われました。
主催者あいさつ
清水 秀行 日教組中央執行委員長
記念講演
広田 照幸 日本大学 文理学部教授
1月29日、30日には分科会が行われました。最終日には、それぞれの分科会の総括討論が行われ、アピールが確認されました。
アピール
わたしたちは、全国各地からのべ6,000人がWeb上に集い、第71次教育研究全国集会を開催しました。2年ぶりの開催となった分科会では、オンラインにもかかわらず、熱のこもった活発な実践交流が行われました。
記念講演では、日教組が教研のスローガン「平和を守り、真実をつらぬく民主教育の確立」にこめてきた思いを読み解き、これまでの教研活動のたしかなとりくみを確認しました。子どもが主体となるゆたかな学びとウェルビーイングのために、わたしたち教職員自身が夢と希望をもって教育に臨んでいくことの大切さを共有しました。
分科会では、新型コロナウイルス感染症の影響のなか、子どもたちと構築してきた学びについて報告されました。分会から討議を積みあげ、組織教研で深められたリポートをもとに、地域の実態や子どもの姿から浮かびあがってくる課題を討議しました。
「ともに生き、学びあう」という互いの関係性を基盤とする学びは不変です。一人一人の子どもが夢と希望をもち、自分の生き方を問い続ける学びが保障される教育の実現のために平和・人権・環境・共生を柱に、憲法・子どもの権利条約の具現化と民主教育の確立にむけ、教育実践をさらに積みあげていきましょう。
2022年1月30日
日教組第71次教育研究全国集会
24人のリポーターが静岡の教育を全国に発信
〜 全国教研 分科会 1月29日〜30日 〜
分科会司会者 岡本 寿実 さん
分科会司会者 竹内 大樹 さん
教科別、教育課題別の24分科会で、合計462本の教育実践リポートに基づいた意見交流が行われました。オンライン開催のため、参加者は自宅や各地区教育会館からの参加となりましたが、活発な討論が展開されました。静教組から参加したリポーターは静岡のとりくみを発信するとともに、質疑討論に積極的に参加しました。全国各地からの参加者との交流により、新たな視点を得たり研究を深めたりすることにつながりました。子どもを主体とした静岡の教育実践は全国においても高い評価を得ました。
静教組からは、リポーター以外にも単組・支部役員や分科会司会者の参加がありました。「総合学習と防災・減災教育」分科会では岡本寿実さん(小笠支部)、「幼年期の教育・保育と連携・接続」分科会では竹内大樹さん(湖西支部)、「国際連帯・多文化共生の教育」分科会では小林健二さん(富士支部)が分科会司会者を務め、円滑な分科会運営にご尽力いただきました。
各地区教育会館で参加したリポーターの感想を中心に紹介します。理科教育 袴田 博紀さん(静清教組 清水高部東小)

全国各地の特色ある実践を知ることができました。理科だからこそできること、理科から飛び出してできることはたくさんあると思いました。またオンライン討論は時、場を超えて学び合うことができると感じました。だからこそ、対面のよさも感じました。この3日間でお会いした皆様との出逢った縁、いつか対面で会える日を楽しみにしております。「何のために学ぶのか」の原点に立ち戻り、明日からの実践に生かしていきます。
地域における教育改革とPTA(民主的な学校づくり)
中間 信宏さん(三島支部 山田小)

分会を巻き込んだとりくみ、学校全体を巻き込んだとりくみ、感染症への組織的なとりくみ、コミュニティスクールの活性化に向けたとりくみ等の学びを得ることができました。民主的な学校づくりや働き方改革の推進のため、自分たちが今日の課題として捉えているものに焦点をあてた実践ばかりでした。とりくみ方法や形は違いますが、同僚性を高めるため、仲間との繋がりを深めるため、めざす方向性は一致していることを感じ、嬉しく思いました。
全国のとりくみを知ることができたこと、同じ目的に向かって日々邁進している同志がいることに大変刺激を受けました。若手・中堅・ベテランが同じ方向を向き、安心・安全な職場、働きやすい職場づくりに私も少しでも力になりたいと感じました。

家庭科教育 安西 佐織さん(磐周支部 磐田北小)
分科会では、全国の仲間の発表を聞いたり、たくさん意見交換をしたりすることができてよかったです。貴重な機会になりました。ありがとうございました。
教育条件整備の運動 土屋 百代さん(田方支部 函南西小)

全体集会の記念講演では、日教組の誰一人とりこぼさないという理念を再認識することができました。分科会では先進的な実践や発言が多く、目の前の子どもたちのために何をしなければならないのか、どんな運動をしなければならないのか考えることができ、よかったです。
国際連帯・多文化共生の教育
山田 信彦
(三島支部 山田小)
美術教育
永井 友紀子
(志太支部 六合中)
インクルーシブ教育
西村 友美
(静清教組 末広中)
外国語教育・活動(小)
田中 秀佳
(志太支部 青島東小)
分科会名 | リポーター | 単組・支部 | 分会 |
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日本語教育 (文学・説明文・言語) | 大塚 陽加 | 榛原 | 吉田中 |
外国語教育・活動 (小学校) | 田中 秀佳 | 志太 | 青島東小 |
外国語教育・活動 (中学校) | 草嶋 利昌 | 東豆 | 対島中 |
社会科教育 (現状認識) | 大西 洋 | 静清 | 麻機小 |
数学教育 | 長谷川 翔太 | 榛原 | 川根中央小 |
理科教育 | 袴田 博紀 | 静清 | 清水高部東小 |
美術教育 | 永井 友紀子 | 志太 | 六合中 |
音楽教育 | 袴田 文子 | 浜松 | 船越小 |
家庭科教育 | 安西 佐織 | 磐周 | 磐田北小 |
保健・体育 (保健) | 安達原 幸子 | 榛原 | 川根中央小 |
保健・体育 (体育) | 石原 太勢 | 榛原 | 川崎小 |
技術・職業教育 (技術教育) | 白井 貴大 | 志太 | 西益津中 |
自治的諸活動と生活指導 (小学校) | 伊藤 啓太 | 浜松 | 西都台小 |
自治的諸活動と生活指導 (中学校・高校) | 杉山 尚也 | 磐周 | 周南中 |
幼年期の教育・保育と連携・接続 | 坂田 萌友 | 志太 | 黒石小 |
インクルーシブ教育 | 西村 友美 | 静清 | 末広中 |
国際連帯・多文化共生の教育 | 山田 信彦 | 三島 | 山田小 |
両性の自立と平等をめざす教育 | 西井 なおみ | 沼津 | 大平中 |
メディア・リテラシー教育と文化活動 (情報教育、学校図書館教育) |
鈴木 紳也 | 志太 | 青島中 |
カリキュラムづくりと評価 | 中西 宏嘉 | 東豆 | 大池小 |
地域における教育改革とPTA (民主的な学校づくり) | 中間 信宏 | 三島 | 山田小 |
地域における教育改革とPTA (過密・過疎、へき地の教育) |
酒井 信一 | 静清 | 服織小 |
教育条件整備の運動 | 土屋 百代 | 田方 | 函南西小 |
総合学習と防災・減災教育 (ものづくり・生活の中から) |
コ原 美奈子 | 榛原 | 地頭方小 |
