第2110号2021年11月25日
2021年度養護教員部実態調査結果より

静岡県内に勤務する養護教員を対象に、学校での集団フッ素洗口・フッ素塗布、児童・生徒の健診等について実態調査を行いました(浜松市は独自で実施)。今回はその中の一部を紹介します。養護教員の課題について、各分会で話題にあげ、共有しましょう。

学校は医療の場ではなく教育の場です

Q1 学校でフッ素洗口・フッ素塗布を実施していますか。

Q2 今年度の実施に関して、昨年度末に検討がされましたか。(Q1で「実施している」回答者のみ)

学校での集団フッ化物使用について検討を

学校にはアレルギーなど様々な配慮を必要とする子どもがいる中、集団で薬品を口にするのは危険が伴います。さらに新型コロナウイルス感染拡大の中、子どもが口にふくんだ洗口液を水道で吐き出すことで、その飛沫によって学校での感染拡大につながる恐れもあります。このことを考えると本年度実施している学校の約半数で実施についての検討がされなかったことは、課題であるといえます。静教組は、フッ素洗口・フッ素塗布は、保護者の責任のもと各家庭や医療機関で実施すべきことであると考えます。教職員が、学校でのフッ化物使用について正しく理解するとともに、学校での実施がクラスターにつながる恐れがあることについて危機意識をもち、実施について検討することが必要です。

子どもの視力低下が危惧されます

Q3 児童・生徒の視力検査について、医療機関へ要受診と判断された割合は、昨年度に比べて増加していますか。

1人1台端末を用いた授業でさらに深刻な問題に

家庭でのタブレットやテレビゲーム等の利用が視力低下の一因となっていることが考えられます。急速にすすむ1人1台端末を用いた授業により、今後小学校低学年からの視力低下が危惧されます。そのため、家庭での端末等の使用も含め、保護者と情報共有していく必要があります。

また、長時間ICT機器を使用することで猫背など姿勢にも影響が出ることも考えられます。成長期の子どもにとってどのような配慮が求められるか、検討が必要です。

養護教員の人数は、児童・生徒数によって決められています

<養護教員の複数配置基準>

小学校 851人以上
中学校 801人以上

義務標準法によって養護教員の複数配置基準が定められたのは、数十年も前のこと。現在の子どものあわられは、当時とはちがってきているため、複数配置基準の引下げは急務といえる状況です。

養護教員の多忙化解消は急務です

新型コロナウイルス感染対応により多忙化に拍車

4月〜6月は、児童生徒の身体測定や健康診断があるとともに、新年度になり、子どもが不安等を感じるため、保健室に来室することが多い時期です。また、感染症対応による出欠確認・報告等の業務が加わり、事務処理等、放課後に行う業務が増えています。

養護教員のみなさんが本来業務ではないと考えている業務があります

養護教員の本来業務以外の業務削減・整理は急務です。就学時健康診断に関わる業務を市町教委が担当するなどの改善が必要です。

今後も県教委に対して人的配置の拡充を求めるとともに、市町教委に対しても業務の削減・整理を求めていきます。