
第1910号2013年6月10日
過去と未来をつなぐ節目 第100回静教組定期大会

5月23日(木)、第100回静教組定期大会が静岡市・労政会館で開催され、2013年度の運動方針・予算などが承認されました。大会には、来賓として連合静岡副会長古川正明さん、県P連副会長尾崎行雄さん、県議会議員佐野愛子さんなど29人の方をお迎えし、各支部からは代議員248人(内女性76人、女性参画率30.6%)が出席しました。2013年度運動方針の質疑・討論では、数多くの質問、意見が出され、熱い議論が交わされました。大会の終わりには、「ゆたかな学びの創造」「職務・職責に見合う賃金」「男女共同参画」などの内容を盛り込んだ大会宣言が採択されました。
委員長あいさつ(要旨)
第100回という節目の回を迎えた。過去、育児休業法の制定、学校5日制、35人学級等の重要な教育課題を捉え、未来志向での議論を重ねることにより、静教組運動は着実に前進してきた。
<めざす子どもの姿、将来の人間像をどう描くか>
ある有力企業の経営者によると「英語が喋れて、タフな交渉ができ、辞令一つで翌日から海外に行ける人間」がグローバル社会で求められているという話がある。教育は単に企業社会が求める人材育成のためだけにあるわけではないが、国の教育政策はここにきて国家や企業社会が求める人材育成へとシフトしようとしている。その危うさに対して教育の最前線にいる者は敏感でなければならない。めざす子ども像・人間像を相互に共有することが教育を営む場では重要である。
<変容する教育政策への対応として、世論形成をどうすすめるか>
2012年12月の政権交代により、教育政策の方向性が大きく変わろうとしている。子どもの学ぶ権利を保障するための施策から、道徳の教科化やいじめ対策法、教育委員会制度の見直し等、教育現場の苦悩とは距離感のある施策が打ち出されている。私たちは「社会的対話」を地道に重ね、教育界に対する多様な意見を受け止めつつも、私たちの考えを述べ、相互理解につなげる努力が必要である。学校5日制についても、その理念にこだわりをもち、そこに至った経緯を踏まえた発信や関係者との対話に努めていく。
<憲法を守る>
政治の場において憲法改正を争点とし、実現に向けようとの動きが加速している。憲法の理念の下で、私たちは豊かで安心して暮らすことのできる社会を形成し、なおかつ、武力に依拠しない国の有り様を発信してきた。誇るべきことである。また、憲法は本来の性格として「立憲主義」に基づき、国家権力の濫用を制約し、国民の権利や自由を保障するための法として存在している。しかし、改憲勢力は本来の憲法の性格を180度変えようとしている。なぜ執拗に改正を求めるか?誰のために変えようとしているのか?国民が求めているとするならば納得もいくが、そのような声が挙がっているとは思えない。
<政治への積極的な参画をすすめる>
7月に予定される参議院議員選挙は今後の国の在り方を左右する重要な選挙である。護憲・平和の立場に立ったリベラルな政治勢力の必要性が高まっている。教育界の代表としての「神本みえ子」、働く者の代表としての「しんば賀津也」を確実に国政の場に送り出さなければならない。その前段にある県知事選挙は、続く参院選に大きな影響を及ぼすとともに、改憲勢力にブレーキをかけることができるか否かの意味をもつ。川勝平太現知事の2期目に向けた応援を連合静岡と共にすすめていく。意義を十二分に理解いただき、力強いとりくみを求めたい
