第1870号2011年10月10日
子どもたちの笑顔あふれる新しい学校を1日も早く
日教組独自「被災地支援・教育復興ボランティア活動」報告

9月16日(金)から3日間の日程で、岩手県大槌町において日教組独自「被災地支援・教育復興ボランティア活動」が行われました。静教組からは、鈴木伸昭執行委員長、土屋美華さん(賀茂支部)、稲葉米彦さん(東豆支部)、石田善正さん(駿東支部)、日置孝史さん(清庵支部)、沖正康さん(榛原支部)、河合勝之さん(浜松支部)の7人が参加しました。


▲被災した大槌北小の体育館

▲机・椅子が運び込まれた
仮設校舎の教室

▲仮設校舎の前で

日置孝史さん(清庵支部)

私たちの活動は、他校等を間借りして授業を行っていた大槌町内の大槌小・大槌北小・安渡(あんど)小・赤浜小の4つの小学校の備品を仮設校舎へ移設する作業でした。作業の参加者は、日教組関係ボランティア以外にボランティアセンターからの派遣や保護者の方を含め、総勢100人以上にのぼりました。

被災地への到着が前日の夜になったため、ところどころ信号機や街灯が消えたままになっている状況に、被害の一端を垣間見ることができましたが、その全容をうかがい知ることはできませんでした。明け方、震度4の地震で目を覚ましました。未だに続いている余震が被災者の方々にとって大きなストレスとなっていることを、身をもって痛感しました。

翌朝、活動場所へ向かうバスの中で、被災地の悲惨な状況を目の当たりにし、言葉もありませんでした。被災地の様子は、テレビや新聞で報道されてはいましたが、実際に自分の目で見た状況は衝撃的でした。その光景を見ながら、この後の作業を精一杯行うことで、少しでも被災地の方の役に立ちたいと改めて思いました。

作業の中心は、教室で使用する教員・児童用の机・椅子の運搬でした。ボランティアが搬入作業を行っている間、学校の教職員の方々には並行して教室の片付けをしてもらうという手順で作業がすすめられました。台風が近づいて来ていることもあり、雨模様でしたが、降雨もなく、子どもたちの机や椅子を濡らさずにすみました。作業は順調にすすみ、予定していたよりも早く終了させることができました。作業が早く終わったことで、休日出勤をしていた被災地の教職員の方々が早く帰宅することができ、ほっとすると同時に、マンパワーのもつ大きな力を実感しました。

作業終了後、被災地の様子を見ながら、岩手県教組の方からお話を聞く機会をいただきました。「瞬時の臨機応変の判断が生死を分けた」「日頃からの備えの重要性」をご本人の被災経験を交えてお話しいただきました。

ガレキの撤去がすすみ、営業を再開する店も現れるなど、明るい兆しも見られる被災地ですが、復興への道のりには、まだまだ相当な時間がかかることを実感しました。今後、自分にできることは何なのかをもう一度考え、できる限りのことをやっていこうと改めて決意しました。

子どもたちの笑顔であふれる新しい学校が一日でも早く建設されることを心から願っています。