第1870号2011年10月10日
オーストラリアも日本も子ども・教育への熱い思いは同じ
−オーストラリア教育組合ビクトリア支部来静−

9月27日(火)、メアリー委員長を団長とするオーストラリア教育組合(AEU)の組合員16人が来静しました。AEUには、一般教職員のほかに管理職や非常勤講師も加入しているため、来静した組合員は副校長から大学を卒業したばかりの講師まで様々でした。滞在期間中、静岡県教育委員会表敬訪問、静教組との教育協議会、ホームステイ、学校訪問等を行い、様々な形で交流を深めることができました。

9月28日(水)に静岡県教育会館で開催した教育協議会では、AEU・静教組の組合員以外にも、県PTA連絡協議会や県校長会の代表者が参加しました。AEU・静教組それぞれから、おもにICT教育の実態について基調提案をした後、3つのグループに分かれて協議をしました。オーストラリアでのICT活用についてAEUからさらに詳しい説明があったり、コンピュータや携帯電話を使うことにより生じる危険からどうやって子どもたちを守るかといったことについて意見交換をしたりして、たいへん活発な話し合いになりました。

オーストラリアの教育実態 〜キャロラインAEU小学校副部長基調提案より〜

オーストラリアの教育システム

オーストラリアは連邦制度の国であり、6つの州(state)と2つの準州(territory)の政府も一定の権限をもっている。教育は州が管轄しているが、予算は連邦と州の両方がもっている。つまり、8つの異なった教育システムが存在している。

教育に関わる課題

現在、教育に関わる大きな課題として、教育予算の公立学校と私立学校への割振り、導入が予定されている初めての国定カリキュラム、全国一斉テスト、実績給の導入などが挙げられる。

テクノロジーの急速な変化も大きな問題である。教員の中にもデジタル機器の使用についてサポートを必要としている人がいるので、教員に専門研修の機会を提供することが必要となっている。また、インターネット社会における安全(サイバーセイフティー)は、学校が直面している重要な問題である。デジタル時代になり新しい問題行動が起きているので、学校ではデジタル機器の普及に伴って助言・方針・具体策などを作成し、教職員を支援するとともに児童生徒や保護者を教育する必要に迫られている。

ホームステイで心と心の交流

9月29日(木)から10月2日(日)までAEU組合員はホームステイを経験しました。今回は中部ブロックで受け入れをしていただき、静岡でホストファミリーと対面しました。AEU組合員の皆さんは、ホストファミリーの方々とすぐに打ち解けて、和やかな雰囲気になり、笑顔でホストファミリー宅に向かいました。

9月30日(金)には、学校訪問をしました。授業参観や子どもたちとの交流をしながら、日本の教育現場を体験しました。全校の児童の前で自己紹介をしたり、外国語活動の授業でオーストラリアの紹介や英語のゲームを楽しんだりしたAEU組合員もいて、それぞれに充実した日本の学校での1日を過ごしました。週末をホストファミリーと過ごし、別れの場面では、涙を流し、名残を惜しんでいる姿もありました。短期間でしたが、思い出に残るホームステイになったようです。