第1869号2011年9月25日
「つなぐ」を合言葉に 被災地支援ボランティア活動報告

8月27日〜9月3日、連合による第21次被災地支援ボランティア活動が行われ、静教組から望月厚志さん(静岡支部)が岩手県陸前高田市での復旧・復興作業に参加しました。


▲水抜き水路を造る望月さん

実際の目で見た陸前高田市街の状況は、津波によって、景勝地「高田の松原」は砂州ごと流失し、一般家屋は基礎部分だけを残して無くなり、鉄筋建造物は4階まで破壊され、映像で見た以上の惨状でした。

私たちは、広田町という小さな沿岸の町で、田畑の復旧作業を行いました。足元が水でぬかるみ突き出した釘などが見えない中、生い茂る雑草を刈り、漂流ガレキ(建材、家財)を運び出すという難作業で、約40人で活動したにもかかわらず、一日ですすむ範囲は教室にして数室分でした。しかも、作業後の田畑には、20cmほどの砂が堆積したままで、復旧・復興の道のりは遥かに長いことを実感しました。作業最終日には、次に現地に入るボランティア隊の活動を円滑にするために、水抜き水路を造りました。一人ができる活動の少なさに無力感を感じつつも、仲間に志と作業の継続を託すことの大切さを実感できた活動でした。

東日本大震災は、家族、財産、仕事の喪失など、住民一人一人に大きな被害を与え、心に傷を残すものでした。私が被災地に入ったのは震災から約6カ月が経とうとしている頃でした。私の目には、少しずつ復旧はすすんでいるものの、その先にある復興には手が届いていないようにも映りました。一日も早い被災地の復興を心から願うばかりです。

震災後、「復旧・復興」「減災・防災」という言葉を様々な方面から耳にするようになりました。今回、被災地の現状を目の当たりにして、それがどんなに大きく、難しく、全員で本腰を入れていかなければならないことなのかを実感しました。一人の力は余りにも小さく、一人の時間は余りにも短いものです。『つなぐ』とは、時間を越え、立場を越え、地域を越え、時代を越え、多くの人が「被災地の復興」と「これからの減災・防災」に力を合わせていく合い言葉なのだろうと思います。