
第1868号2011年9月10日
第14回オーストラリア教育体験視察と交流の旅を終えて

2011.8.12〜8.19
オーストラリアの教育システムを見聞し、ひらかれた学校や創造的なカリキュラム編成を学ぶとともに、異文化を体験して視野を広げることを目的に、「オーストラリア教育体験視察と交流の旅」が行われました。静教組(STU)とオーストラリア教育組合(AEU)ビクトリア支部との教育交流は、今年で14回目となります。今回は、静教組鈴木伸昭執行委員長を団長に、STUから19人が参加しました。
南半球にあるオーストラリアでは、冬が終わりに近づき、国の樹であるワトルがあちらこちらで黄色い花を咲かせ、春の訪れを告げていました。
団員はビクトリア州都メルボルンの郊外でホームステイしたあと、メルボルンに移り、AEUビクトリア支部との教育交流を行いました。私たちと同じ立場である、オーストラリアの教職員と語り合ったり、オーストラリアの自然・文化に接したりするなど、数々の貴重な体験をした8日間の旅でした。
=ホームステイ=

メルボルンから車で約2時間のところにあるベンディゴという町周辺で、教員のお宅に2日間ホームステイしました。ベンディゴはゴールドラッシュで賑わった町で、金鉱跡が残っています。自然豊かなのどかな場所であり、カンガルーなどの野生動物を見ることができます。
ホストファミリーは、たいへん温かく団員を迎え入れ、細かい心遣いをしてくれました。また、夫婦が家事を分担して、それを子どもたちが手伝ったり、会話を楽しみながら家族そろって食事をしたりするなど、家族のつながりを大事にしている様子がうかがえました。
ホストファミリーに会うまでは不安そうだった団員も最後には抱き合って別れを惜しむといった光景が見られ、ホストファミリーとの交流を深めることができました。
=学校訪問=
▲折り紙に挑戦する小学生
▲小学校での授業風景
ホストファミリーの勤務先の学校を訪問しました。日本の小学校にあたるプライマリースクール6校と中学・高校にあたるセカンダリースクール4校に分かれ、授業や学校の施設を見学しました。
1クラスの人数は20人程度と少なく、自由な雰囲気の中でも真剣に学習にとりくむ姿が見られました。また、どの教室にも電子黒板が設置されていたり、ネット検索が容易にできるノートパソコンが何台も用意され、調べ学習の際に自由に使えるようになっていたりと、ICT環境の整備がかなりすすんでいました。
見学だけでなく、実際に授業を行った団員も多く、日本文化を紹介したり、質問に答えたりして、子どもたちと交流しました。朝の全校集会に参加し、子どもたちからの校歌のプレゼントに感激した団員もいました。また、エチュカプライマリースクールへの学校訪問のことが地元新聞に写真入りで取り上げられるなど、交流の旅が定着してきていることをうかがい知ることができました。
=教育交流会=

AEUビクトリア支部において、教育交流会を行いました。
全体会では、ビクトリア州教育省のホール高等教育大臣から温かい歓迎の挨拶をいただいたあと、AEUからオーストラリアの教育制度や教育課題、保護者連盟、学校協議会などについての説明を受けました。
2つに分かれての分散会では、オーストラリアから、導入が予定されている初めての国定カリキュラムや現在行われている全国一斉テストなどの課題、日本からは新学習指導要領などの課題について出し合い、活発な意見交換をしました。国は違っても、子どもたちの未来を思い、教育にとりくんでいる教職員の思いは同じだと感じることができました。
