第1867号2011年8月25日
ともに豊かな教育環境の実現をめざす 豊かな教育をすすめる首長・議員交流会 開催

8月5日(金)、クーポール会館(静岡市)において、各級議員の方々との意見交流を行う「豊かな教育をすすめる首長・議員交流会」を開催しました。参加者は、衆議院議員・県議会議員・市町議会議員、連合静岡、静岡県民主教育政治連盟の方々と静教組本部・各支部代表の総勢76人です。この交流会は、静教組がすすめる教育運動について議員の皆さんに理解していただくとともに、教育をめぐる諸課題について情報を共有し、豊かな教育環境の実現に向け、ともにとりくんでいくことをめざし、毎年行っています。

会の冒頭、鈴木伸昭執行委員長は挨拶の中で「教職員が個性豊かでいられて、専門性を高めることができ、子どもたちの興味を高めるような授業や行事ができる環境にあるかと言えば、必ずしもそうとは言えない苦しさがある。このようなことはなかなか言い出せない状況にあるが、本日、あえて提案させていただき、ご意見をいただきたい」と述べました。また、参加者代表として、連合静岡吉岡秀規会長、民主党・ふじのくに県議団高田康久幹事長、小山展弘衆議院議員から挨拶がありました。

次に、静教組から2011年度静教組運動の重点と課題についての基調提案を行い、学習会として、「労働安全衛生体制の確立に向けて」と「子どもと保護者をサポートする支援体制の充実に向けて」の2点について、静教組がめざしていることを次のように提案しました。

  • 労働安全衛生法の改正後数年がたつが、現場の状況はあまり変わっておらず、労働安全衛生体制の確立が急務である。衛生委員会についても、設置義務が50人以上の職場となっていることから設置はすすんでいない。そこで、市町を一つの事業所と考え、市町単位の衛生委員会の設置が必要である。
  • いじめや不登校、虐待などの件数は増えており、内容も深刻化している。学校だけでは対応しきれず、子どもと保護者をサポートする機関(児童相談所、家庭児童相談室、適応指導教室、少年サポートセンターなど)との連携が不可欠である。しかし、そのような機関も人員が不足している。問題が深刻化する前に、また、起こる前に防ぐことが大切であり、そのためには人員の確保が必要である。

これらの提案について、参加者から多くの質問や意見が出されました。静教組の考えが理解され、子どもをとりまく教育環境、そして教職員の労働環境をよりよいものにするために、何ができるか、何をどのようにすすめていけばいいのかという、議員の方々の真剣な思いが伝わってきました。

参加議員からの意見(抜粋)

  • 民間では、管理職がリーダーシップをとって労働安全衛生を推進している。学校においても、衛生委員会を設置すべきである。
  • 子どもたちにはスクールカウンセラーがいるが、教職員が相談する場がない。教職員の心のケアをする人が必要である。
  • 各市町の状況や環境によってとりくみが変わる。複数の市町により構成されている支部については、市町単位でともに歩んでいける体制がほしい。
  • 家庭の問題について学校がどこまで対応すべきか。相談する体制をつくっていった方がよい。