第1861号2011年5月25日
ものづくりで創るゆたかな学び - ものづくり教育 静岡からの発信2011 -

〜子どもたちにものづくりの大切さやおもしろさを伝えたい。子どもたちに無限の可能性と豊かな創造力を気づかせたい。そんな思いを「ふじのくに」静岡から発信します。〜 こんなキャッチフレーズのもと、5月14日(土)袋井市月見の里学遊館を会場に、「ものづくり教育シンポジウム」が開催され、全国各地から多くの人が参加しました。このシンポジウムは、日教組とJAM(ジャム)の共催で数年に1度行われており、今回が3回目の開催となります。JAMとは、私たちと同じように連合に加盟している労働者の仲間であり、機械金属産業を中心とする企業で働く労働者の組合です。

シンポジウムは、講演、事例報告、子ども体験発表という、もりだくさんのプログラムで行われました。

講演は、映画監督の野中真理子さんと川勝平太知事により行われました。野中さんは、図工の時間に子どもが無我夢中になっている様子を描いた映画を制作し、それを通して感じた、子どもが自ら考えながらものをつくることの大切さを話しました。川勝知事は、静岡県の産業を支える基盤としてものづくりを推進する立場から、日本のものづくりの技術のすばらしさや現場で学ぶことの重要性について語りました。

事例報告として、教育現場とものづくりの現場からそれぞれとりくみの様子が報告されました。教育現場からは、若林努さん(富士支部)が技術・家庭の授業での風力発電機製作の実践を発表しました。グループで試行錯誤しながらとりくんだ風力発電機製作を通して、子どもたちは、自分たちで発電できた充実感を感じるとともにエネルギー開発に携わる人たちの苦労を思い、実感として電気を有効に使おうという思いをもつようになったとのことです。子どもたちが作った作品を紹介しながらの、熱のこもった発表でした。

子ども体験発表では、掛川市内の中学3年生4人が2年時に行った鉄工所での体験学習から学んだことを発表しました。飛び散る火花の熱さを肌で感じながらの溶接作業などをした体験は、ものづくりの楽しさ、働くことの厳しさと喜びを実感させてくれたようです。

ホールでのシンポジウムのほかに、協力企業によるものづくり製品展示やものづくり体験コーナーもあり、親子で体験を楽しむ姿が多く見られました。