第1859号2011年4月25日
ともに復興をめざす 被災地をみんなで支える活動

東日本大震災は、想像を絶する甚大な被害をもたらしました。被災された方々の中には、子どもたちとその保護者、私たちの仲間である教職員も多数含まれ、学校の被害も数多く報告されています。

連合の「被災地支援ボランティア活動」が3月末から始まりました。第1陣のメンバーとして、静教組から池沼光徳さん(浜松支部)と平野恵司さん(本部)が参加し、岩手県での支援ボランティアを行いました。今後も何回かにわたり、派遣が計画されています。静教組は、日教組や連合と連携しながら、被災地の復興支援、特に教育復興支援活動を長期にわたり継続して行っていきます。

被災地支援ボランティア活動報告

私たちは3月31日から4月8日まで、岩手県大槌町を中心とした災害地支援ボランティアに参加しました。大槌町、その中心部にあったはずの町は、全て津波で流されていました。実際にその場に立つと足がすくみます。逆さまに横たわる家や車、瓦礫の山、火災で焼け焦げた建物…。焦げ臭さが鼻をつきます。あたりは恐ろしいほど静まり返っています。見たこともない光景に言葉を失いました。

私たちは、その大槌町の中心部から500mほど離れた桜木町というところで支援活動をしました。桜木町は、その脇を通る小槌川が津波により氾濫し、家屋は残ったものの1階の天井まで水が浸かった地域です。1階は泥で埋め尽くされ、家具は倒れ、リビングも台所も手がつけられないような状況でした。屋内の泥の撤去や使えなくなった家財道具などの運び出しを行い、再びその家で生活できるよう復旧支援が主な任務です。作業が終わるたびに、その家に住んでいる方々から涙ながらにお礼の言葉をいただきました。地震と津波の恐怖、これまでの苦労とこれからの不安…それを想像すると胸が苦しくなりましたが、一軒一軒に住む方々の希望の灯がともっていく気がしました。

私達のボランティアは本当に地味で地道な作業で、『大きな前進、大きな貢献』はできませんでしたが、少なくともお手伝いさせていただいた方々の『小さな前進』には貢献できたのではないかと思います。私たちの活動が、被災された方の生きる『希望』につながればと思っていました。しかし、誰よりも『希望』を与えられたのは実際にボランティアを体験した私たちだったのかもしれません。

たった1週間のボランティアでしたが、自分自身が支援に関わることでこの国難を肌で感じ、「人が支え合うこと」「ともに生きるということ」を深く考える契機となりました。一人がたくさんの支援をするより、一人でも多くの方が少しずつの支援をすることが大切なことかもしれません。