第1845号2010年9月25日
第13回オーストラリア教育体験視察と交流の旅を終えて

2010.8.13-21

STU(静教組)とAEU(オーストラリア教育組合)ビクトリア支部との教育交流は、今年で13回目を迎えました。今回は、鈴木書記長を団長に、STUから18名が参加しました。

団員のホームステイ先は、州都メルボルンから約150km内陸部に入った、ベンディゴを中心とした地域でした。ゴールド・ラッシュが始まった頃の歴史を知ることができ、町にはゴシック調の建築物や資料館などが点在しています。周辺には、葡萄畑が広がり、夜になれば野生生物も見ることができます。団員は、ホームステイ先の家族に温かく迎えられ、交流を深めました。

=学校視察=

団員は、日本の小学校にあたるプライマリースクール9校、中学・高校にあたるセカンダリーカレッジ1校に分かれて訪問し、授業を見学しました。

学校では、それぞれの個の学習レベルに合った学習形態がとられており、自発的に課題にとりくんでいる子どもの姿が印象的でした。1クラスの人数が少ないことや多くの教室にパソコンが設置されているなど、教育環境整備もすすんでいると感じました。また、教員の休憩時間が確保され、管理職を含めた教員同士でコミュニケーションをとることのできる環境が整っていました。

団員は、見学だけでなく実際に授業も行い、授業を通して子どもたちと交流しました。

=学校協議会(スクールカウンシル)=

オーストラリアの教育システムの特色の1つが学校協議会です。保護者、校長、教員、地域代表で構成され、時には児童生徒の代表も参加して、学校の基本的な運営方針を決定していきます。話し合った内容は、学校のニュースレターを通じ各家庭に知らされます。学校、保護者、地域が連携していること、透明性が確保されていることを感じました。

=教育交流会=

AEUとの教育交流会全体会では、ビクトリア州教育省のスティーブ政務次官による歓迎の挨拶の後、AEUから組合活動の報告やビクトリア州の教育についての説明を受けました。

分散会では、「学校運営組織と教職員の協力体制について」と「学校・家庭・地域の役割」の2点について熱心な協議が行われました。2つの国の環境が異なっていても、学校や子ども、教職員が抱えている問題は共通であることについて認識を深めることができました。

=ホームステイ=

ホストファミリーの細やかな配慮や周りの人への思いやりの心に感動しました。言葉は十分に通じなくても、温かな気持ちは十分伝わってきました。夫婦がコミュニケーションをとる時間や親と子のコミュニケーションをとる時間が大切にされていました。