
第1845号2010年9月25日
男女共同参画の基本は人権尊重 第1回男女共同参画推進委員会

9月4日(土)、静岡県教育会館において、第1回静教組男女共同参画推進委員会が開催され、各支部2名の推進委員が参加しました。
はじめに、男女共同参画推進委員会組織確立に関する件の提案があり、寺尾正幸さん(志太支部)が男女共同参画推進委員長に選出されました。また、活動方針が承認され、「静教組男女共同参画推進第2次行動計画」の推進等が確認されました。
その後、学習会が行われました。
まず、静岡県立大学短期大学部准教授の奥田都子さんから講話がありました。「男女共同参画って何だろう?」という演題で、家庭生活や学校生活から男女共同参画を考える講話でした。
講話の後、3つの分散会に分かれ、男女共同参画推進の現状と課題について話し合いを行いました。講話を聞いた感想や支部でのとりくみの様子、自分の体験等について意見交換をしました。また、途中で分散会に回って来られた講師に対して積極的に質問が出され、学習を深めました。
=参加者の声=
- 決めつけをやめ、相手のよさや能力が十分発揮できるように、思いやりの心を大切に接していくことが重要だと感じた。
- 気づかないうちに、男女という枠組の中で子どもを扱ったり、見つめ判断したりしてしまわないように、意識をしていきたい。
- 女性だけでなく、男性の働き方についても見直し、声を上げるべきという言葉に納得した。そうすることにより、女性の参画も増えていくと思う。
「男女共同参画って何だろう?」
静岡県立大学短期大学部 社会福祉学科准教授 奥田都子さん

自分自身は女子大学で学んだが、女子大学では誰もが役割を担わなければならなかった。共学の大学では男子学生がリーダー的な役目を担っていると聞き、疑問に思っていた。女性の能力をスポイルされていると感じていた。
これまでの日本の歴史を見ると、明治時代には性別役割分業をすることこそが女性の地位を向上させるという考え方がなされていた。その後も、男女差別が法律上はっきり示されていた。戦後の民主化政策により、法制度上は女性の地位が向上したが、実質的には実現できていなかった。しかし、各国がどんどん法整備をすすめる中、日本でも1985年に男女雇用機会均等法が施行され、社会が変化した。
男女による差別は、本人に責任がなく、変えられないことでの差別である。人権尊重の理念を男女共同参画の理念と重ねて考えるべきである。基本的人権の尊重が男女共同参画につながる。男女共同参画とは、男女が性別に囚われることなく、自分らしく生きられることをめざすものである。そして、家庭や社会の中で自分が関わる人たちが何をしてくれているのかを考え、思いやり、それを態度や言動で相手に示すことが、男女共同参画であり、人権尊重にとって重要である。
学校において、「隠れたカリキュラム」によりジェンダー・バイアス(性にもとづく偏見)を再生産しないよう気をつけなければならない。隠れたカリキュラムとは、教職員の何気ない発言や行動などによって、意図せず無意識に児童生徒に教えられる知識や価値観などを言う。例えば、学用品で女子と男子の色が分かれていることなどである。教職員や保護者が、そういうことに対して敏感な視点をもつことが大切である。
男女共同参画の基本は、人権尊重である。日常生活の中の男女共同参画をすすめていこう。
