
第1831号2010年2月25日
ワーク・ライフ・バランスでジェンダーからの脱却を
2009年度第2回静教組男女共同参画推進委員会開催
2月6日(土)静岡県教育会館において第2回男女共同参画推進委員会が開催されました。はじめに、静岡県立大学国際関係学部教授、犬塚協太さんによる「男女共同参画の意義と学校教育のあり方」の講話がありました。続いて浜名支部の土屋美紀さんが、「男女共同参画推進のとりくみ」の実践報告を行いました。これらをもとに、分散会では各支部・分会の男女共同参画に向けたとりくみの工夫について意見を交換しあいました。
男女共同参画の意義と学校教育のあり方
静岡県立大学 国際関係学部教授 犬塚協太さん

男女共同参画社会とは、社会の人すべてが、共同して主体的に参加する社会である。今までの「性的役割分業」型社会から「男女共同参画」型社会への社会全体の作り替えが求められている。ジェンダーとは、社会的・文化的に作り出された性役割・性規範であるが、変化もするし変えることもできる。ジェンダーの視点から批判的に社会を見ることが大切である。
性別役割分業は、多様な個性・能力の尊重という現代教育の根本的な価値と矛盾・対立している。人権教育としての男女共同参画教育が重要である。学校は平等であるようだが実は、知らず知らずのうちに性的役割分業の意識を刷り込まれる「隠れたカリキュラム」があること、教える側と教えられる側に強要と服従という権力構造が起きやすい状況にあることで、課題が多い。
現代社会では、経済が成長し続けるという基本的前提が崩れてきた。そのような中で、理念・経済・人口のレベルからも男女共同参画社会が必要とされている。
ジェンダーからの脱却の具体像がワーク・ライフ・バランスである。多くの男性は働きすぎであり、バランスが崩れている。男女が共に自分の望むバランスで選択できる社会が望ましい。
静教組の第2次行動計画の特徴は、運動の中で重要課題と位置付けていること、子どもたちへの教育が重要視されていることである。教育を通して子どもたちにジェンダーからの解放と多様性の尊重を実践的に学ばせる上で、教職員自らが子どもたちのライフ・スタイル・モデルとなって実行していくことが重要である。
=参加者の声=
- 「男女共同参画社会」を子どもたちに説明するなら?というところからお話ししていただき、とてもわかりやすかったです。無意識にとらわれているジェンダーからの脱却は難しいと感じましたが、今日の話の中で「ワーク・ライフ・バランス」について気付かされました。男性が働きすぎているところを変えていくことで、女性も働きやすい職場になるのだと思いました。週1回の定時退庁をみんなでできるようにしたいと思います。
- 実践報告や各支部の報告を聞き、やれることが明確になってきました。やはり、男女共同参画への啓発があって意識が変わっていくので「学習活動を活発にしていけば必ず変わる」と信じ、推進していきたいと思います。
- 推進委員会設置についてはハードルを高く考えていましたが、来年度とりあえずスタートできそうな構想がもてました。早速、支部活動に生かしていきたいです。
