第1821号2009年9月25日
チームを意識した男女共同参画 第1回男女共同参画推進委員会

9月5日(土)、静岡県教育会館において、第1回静教組男女共同参画推進委員会が開催されました。

はじめに、男女共同参画推進委員会組織確立や活動方針に関する件の提案があり、亀山泰弘さん(志太支部)が男女共同参画推進委員長に就任しました。

学習会では、静岡大学人文学部の平野雅彦さんから「『説得』ではない『共感』である」と題しての講話がありました。CM制作に携わった経験から、CMを通して見えてくる時代の中での男女の姿を実際の映像を示しながら話されました。

講話の後は、3つの分散会に分かれ、男女共同参画推進の現状と課題について話し合いをすすめました。参加者は、講話を受けての感想、支部のとりくみ、自分の体験等について意見交換をしました。

参加者の声

  • 「説得」ではない「共感」であるという考え方は、どんなときにも大事だと思うし、男女共同参画を推進していく上でも大変大切な考え方だと思いました。そして、チームでプロジェクトをすすめていく重要性も強く感じました。
  • 「チーム」の考え方が、「男女共同参画」につながるという点が、今日の目玉となりました。様々なことをそうした目で見ることで「人権」の視点とつながり、「その人らしさ」を大切にすることができそうな気になりました。自宅(家庭)でも応用したいものです。
  • 普段あまり考えていなかった男女共同参画についていろいろな方の話を聞くことができ大変参考になりました。意識改革をしていくことは地道な努力ではあるが続けていくことが大切だと感じました。

「『説得』ではない『共感』である」

静岡大学人文学部言語文化学科客員教授
情報意匠研究所 平野雅彦さん

広告業界に身をおいていた時期には、数多くのCM制作に携わってきた。今になって、当時を振り返ると反省することが多くある。CMでは、お父さんは会社の人、お母さんは家にいて家事を担当する人として描かれていることが多い。時代背景を反映して女性は待つ立場として描かれているCMも多い。なぜ、そういうことが起きてしまうのか。その理由として、作り手の目線が届けたい相手よりもスポンサーに向いてしまうこと、広告は残りにくいために無責任になりやすいこと等の理由があげられる。では、それを解決するのはどうしたらよいのか。周りに問いかけたり、社会的な問題に発展させたりすることが必要である。CMも含めたメディアを見る目を育て養っていくことが大切である。

たくさんのプロジェクトに関わり、現場で智慧を得ることができた。コトを起こすことは、チームを意識することである。チーム内の人を説得しようとすると失敗する。納得していないと溝をうむ。時間をかけて共感をつくっていくことが大切である。チームでお互いに人を思いやることが男女共同参画を考えていくことになる。男とか女とかいうことよりも、人としてどう生きていくかということを大切にしたい。