第1819号2009年8月25日
平和への願いを胸に!! 沖縄平和学習の旅

2009.8.19〜22

「沖縄を知る、戦争を知る、そして平和教育実践の第一歩とする」という趣旨で始められた『沖縄平和学習の旅』は、今年で、25回目を迎えました。

太平洋戦争末期に、日本の捨て石となった沖縄。本部・各支部合わせて18名の団員が、その戦跡地を巡り、平和・人権等について学習を深めました。

主な行程
8月20日(木) 嘉数高台(普天間基地)→沖縄国際大学ヘリ墜落現場→嘉手納空軍基地→チビチリガマ→シムクガマ→ヌチシヌジガマ
8月21日(金) 南風原陸軍病院壕跡→糸数壕(アブチラガマ)→ひめゆり平和祈念資料館→魂魄の塔→平和祈念資料館→平和の碑→摩文仁の丘
チビチリガマとシムクガマ

チビチリガマは読谷村にある自然洞窟である。ここでは、83名の「集団自決」の悲劇が起きた。このガマの中には入れない。入口には「中には私たち肉親の骨がたくさん残っています。皆様がそれを踏み潰すことは我慢できません。」と書いてあった。

一方、チビチリガマの約1q東にシムクガマがある。奥行きが2kmを超えるこのガマには当時約1000人が避難していた。軍国主義教育を受けていないハワイ移民帰りの方がいたことで、ここでは全員が「集団自決」などせずに助かった。

この2つの対称的なガマを見学して、教育の重要性を再認識した。

南風原陸軍病院壕跡

私たちが見学したのは第2外科壕の20号壕。ここには下顎のない患者、火炎放射器で全身火傷を負った患者など直視できないほどの重症患者が収容されていたという。ひめゆり学徒隊の女学生たちもここで不眠不休の看護をした。壕の中の暗さや圧迫感、じめじめした空気を感じながら、当時の壕の中での呻き声や怒号、悪臭を想像すると胸がつぶれる思いがした。

参加者の感想(抜粋)

ガイドの下地さんの話の中で「あなたたちはもう沖縄戦の評論家ではなく、当事者です。」という言葉が胸に突き刺さった。下地さんからこの沖縄戦について「被害」の視点だけでなく、「加害」の視点をも教えていただいた気がする。

64年前の状況をそのままに残すガマなどを目の当たりにし、その雰囲気を肌で感じ、さらに戦争を経験された方の話を直接聞くことのできた私たち団員は、平和教育についてさらに研修を積み、どのように子どもたちと共に学び合っていくべきなのかを深く考える機会となった。