
第1796号2008年9月10日
第12回オーストラリア教育体験視察と交流の旅を終えて
2008.8.15〜23
STU(静教組)とAEU(オーストラリア教育組合)ビクトリア支部との教育交流は、今年で12回目を迎えました。今回は、加藤委員長を団長に、STUから19名が参加しました。
団員のホームステイ先は、州都メルボルンから約150km内陸部に入った、ベンディゴを中心とした地域でした。ゴールド・ラッシュが始まった頃の歴史を知る事ができ、町にはゴシック調の建築物や、資料館などが点在しています。周辺には、葡萄畑が広がり、夜になれば野生生物も見ることができます。団員は、ホームステイ先の家族に温かく迎えられ交流を深めました。

=学校視察=
団員は、日本の小学校にあたるプライマリースクール10校、中学・高校にあたるセカンダリーカレッジ3校に分かれて訪問し、授業を見学しました。
学校では、子どもの自主性を生かした授業が行われていて、それぞれの学習レベルにあった学習形態がとられていました。1クラスの人数が少ないことや多くの教室にパソコンが設置されているなど教育環境整備がすすんでいると感じました。また、教職員の休憩時間が確保され、管理職を含めた教職員同士でコミュニケーションをとることのできる環境が整っていました。
団員は、見学だけでなく実際に授業も行い、授業を通して子どもたちと交流しました。

=学校協議会(スクールカウンシル)=
オーストラリアの教育システムの特色の1つが学校協議会です。保護者、校長、教職員、地域代表で構成され、時には児童生徒の代表も参加して、学校の基本的な運営方針を決定していきます。マンチェスター小学校では、近々行われるコンサートの運営方法や時間外保育、財政面の執行状況等について話し合いが行われていました。話し合った内容は、学校のニュースレターを通じ各家庭に知らされます。学校、保護者、地域が連携していること、透明性が確保されていることを感じました。
=教育交流会=
AEUとの教育交流会全体会には、ビクトリア州教育省のパイク・ブロンウィン教育大臣と在メルボルン日本国総領事館の長谷川晋総領事が出席され、挨拶をしました。その後、AEUの組合活動やビクトリア州の教育について説明を受けました。
午後の分散会では、「学校運営組織と教職員の協力体制について」と「学校・家庭・地域の役割」の2点について熱心な協議が行われました。2つの国の環境が全く異なっていても、学校や子どもが抱えている問題は共通であることについて認識を深めることができました。
=ホームステイ=
ホストファミリーの細やかな配慮や周りの人への思いやりの心に感動しました。言葉は十分に通じなくても、温かな気持ちは十分伝わってきました。両親が2人でコミュニケーションをとる時間や親と子のコミュニケーションをとる時間が大切にされていました。父親も家事に積極的に参加し、両親共に子育てを行っていました。
