第2140号2023年2月25日
第72次県教研 全体会 開催

第72次教育研究静岡県集会全体会が、2月12日(日)グランシップにて開催され、単組 支部等からオンラインを含む約300人が参加しました。

○主催者挨拶(一部抜粋)

感染症の流行や自然災害の発生など、カリキュラムの変更を余儀なくされる事態はこれからも起こります。実施の可否どちらが良い悪いという評価ではなく、その判断に至ったプロセスについて分析し、検証することは大切であると考えます。

学校現場では、制限がある中においても、協働的な学びや体験的な学習をできる限り保障する方策が講じられました。このことについては、分科会の正会員が実践を持ち寄り、報告や協議を行っていただきました。本調査研究の報告と合わせて協議していただくことにより、子どもたちのゆたかな学びを保障する学校教育のあり方等について、考えるきっかけになればと願います。

写真

赤池浩章
中央執行委員長

コロナ禍で顕在化した諸課題を仲間と共有

第1部

教育研究所 調査研究委員会 調査報告

〜コロナ禍の学校教育に関する実態調査〜
・行事(運動会・体育大会、修学旅行、卒業式)
・授業時数確保、学習活動の工夫

写真
第2部

シンポジウム

〜討論の柱〜
・コロナ禍の子どもの学びについて
・カリキュラムの変更、実施中止の決定について

写真

〜参加者の感想〜
・「コロナ禍の学校教育に関する調査研究報告」の調査、編集ありがとうございました。このような明確なデータがあったからこそできる議論だったと思います。大変貴重な話を聞けて勉強になりました。
・保護者の方の御意見を伺えたことはとても貴重な体験になりました。

シンポジウム「コロナ禍で顕在化した諸課題とこれからの学校教育」
〜多くの参加者からの発言により活発な討論が展開〜

シンポジウムでは、「コロナ禍で顕在化した諸課題とこれからの学校教育」について静教組立教育研究所調査研究委員会の調査報告を基に、コーディネーターとして澤田稔さん(上智大学教授)、シンポジストに学校長代表として永田初穂さん(牧之原市立相良中校長)、保護者代表として安田佳子さん(静岡県PTA連絡協議会副会長)、教職員代表として櫻井健太郎さん(富士市立富士川第一小教諭)をお招きし、それぞれの立場からの考えを共有することができました。フロアからも自身の経験をもとにした発言が多く出されました。

〜テーマおよび議論の柱〜
「コロナ禍で顕在化した諸課題とこれからの学校教育」

写真 写真 写真 写真

@一斉臨時休業をはじめとしたコロナ禍の子どもの学びについて

・臨時休業中 プリント等の家庭学習が中心
・学校再開後 話合い活動等の制限

【4〜5月の臨時休業期間中の学習対応】

図

〜シンポジストより〜
・休業中、保護者として最低限どんなことをすればよかったのか、どんなとりくみをしていけばよかったのか、どのような行動をとったら、先生たちが「家庭の教育力に大きく左右されることを痛感した」等の意見を少しでも減らすことができたのか。
・コロナ前でも学びの保障については苦慮してきたが、これまで以上に限られた中で学びを保障していかなければならないということで不安が多い中の教育活動であった。
・学校再開後は、子どもたちが生活リズムを崩さないよう、週当たりの授業時数を増やすことはしなかった。

Aカリキュラムの変更、実施・中止の決定について

・感染拡大における学校行事の決定・変更、子ども・保護者の意見の反映
・カリキュラム編成における教職員のかかわり

【意思決定における子ども・保護者の意見反映】

図

〜シンポジストより〜
・中止するのではなく、どうやったら実施できるか、どう変更すれば実施できるかを考えた。
・どこに行くかではなくて、誰と行くかが重要だと思う。自分たちで企画をして、自分たちで、いろいろなアイディアを出して楽しむ方法を考えて実施ができた。そういう機会が今は必要だと思うが、なかなか難しいのが現状。
・市内でクラスターが発生してしまい、管理職と教務主任、学年部で急遽の検討をした。行かせてあげたい学年部や行きたい子どもの思いも汲みながら検討したが、延期を決めた。直前での変更検討だったので、子どもたちや保護者にアンケートをとることもできずに決定したので、当時は胸が痛かった。