第2124号2022年6月25日
第109回 静教組定期大会 〜熱い議論となった3年ぶりの対面開催〜

5月26日(木)、第109回静教組定期大会が静岡労政会館で開催され、2021年度の経過報告・決算、2022年度 の運動方針・予算などが承認されました。今大会は、感染対策を講じながらも3年ぶりの対面開催となりました。各単組・支部からは代議員189人が出席し、2022年度運動方針に関する質疑・討論では、熱い議論が交わされました。

中央執行委員長あいさつ(要旨)

学校現場の実態に基づく教職員定数の改善

静教組が連合静岡とともにとりくんでいる教育署名では、少人数学級の推進を目的とした定数改善を求めており、県内すべての小中学校において35人学級編制が実施されている背景に、この教育署名活動があると確信しています。また、国においても日教組の長年のとりくみにより小学校35人学級編制が段階的に実施されており、中学・高校を含めた少人数学級の実現は国の責務であると考えます。さらに、学校における働き方改革にとって教職員定数の改善による持ち授業時数の削減が求められます。教職員定数の根拠となっている義務標準法は1958年に制定され、各学校の教職員の配置数を決定する「学級数に乗ずる数」については、科学的な根拠が明確ではなく、見直しが必要です。静教組は、引き続き、県・政令市に対して、単独措置の維持・拡充を求めるとともに、文科省に対して法改正の必要性を求めるよう働き掛けていきます。

日々の実践に基づく教育研究活動の充実

2020年度に改訂した静教組教育政策提言では、道徳教育や外国語教育、シティズンシップ教育等の具体的な課題についての考えを示しています。「特別の教科道徳」について「他者との議論を通して自己の生き方について考えを深めること」や「郷土や地域に根差した学び」の大切さを求めていますが、教科書中心の学習に対する議論や検証が十分になされておらず、不安を感じざるを得ません。また、改訂学習指導要領の実施や小学校教科担任制の導入による学びの変容など、教育研究活動による実践の交流と協議・検証が求められます。今年度はすべての単組・支部において教育研究集会が開催されるので、日々の教育実践に基づいた活発な議論が展開されることを期待しています。

分会活動の活性化による職場づくり

依然として解消されない長時間労働や同僚との日常的な交流不足等により、新規採用者をはじめとした若年層や任期付・臨時的任用教職員、そして育児・介護と仕事の両立等に悩みを抱えている仲間のモチベーションが心配されます。協力協働の職場づくりにとって分会活動は極めて重要であり、それは子どもたちにとって最善の教育環境になると考えます。新規採用者等の静教組加入を早期にすすめるとともに、分会活動の活性化に向けたとりくみをすすめていきます。

“不戦の誓い”を新たに

中国の海洋進出や北朝鮮のミサイル開発、そしてロシアによるウクライナ侵攻など、国際秩序と平和を脅かす状況が続く中、憲法9条を“戦争の放棄”から“安全保障”という概念に転換し、自衛隊を憲法に位置付けるべきとの声が大きくなっています。しかし、安全保障には終わりも完成形もなく、軍備の増強は限りなく続くことになります。現在、世界全体で13,000発余の核兵器が配備されていることがそれを物語っています。一方、日本が憲法で誓った戦争の放棄には完成形が存在します。それはすべての国が武器を捨て戦争を放棄する姿です。国際秩序や平和の危機を迎えている今こそ、“不戦の誓い”を新たにするとともに、世界に向けてその思いや願いを発信すべきと考えます。