第1947号2014年12月25日
子どもたちの心の健康づくりのためにできることは? 第2回静岡県三者連絡協議会開催

2014年12月4日(木)、静岡市立葵小学校を会場に、第2回静岡県三者連絡協議会を開催しました。静岡県校長会・静岡県PTA連絡協議会・静岡県教職員組合の25人が参加しました。

葵小学校の校舎見学・授業参観を行った後、3つのグループに分かれ分散会を行いました。分散会では、『子どもたちの心の健康づくりのためにできることは』をテーマに、校長・教職員・保護者のそれぞれの立場から多くの意見を出し合いました。

校長会
  • 「自分が役に立っている」という自己有用感を学校で育んでいくことが大切。自己有用感を高めることで「自分やみんなを大切にしていこう」という自尊感情や所属感が育まれて、心の安定につながる。
  • 笑顔が絶えない学校の中で、お互いが認め合い、「みんなといて楽しい!」という雰囲気が大切。同時に、子どもたちを追い込み、鍛えることで「成長する喜びを感じる場としての学校」という捉え方も必要になる。
  • 地域とのつながりも重要。親こそ地域に出て、町内会とお付き合いするべきで、子どもはその親を見て地域とのつながりをもつことになる。
PTA
  • スマホやLINEの問題も心の健康に影響を及ぼしている。機器を与えるのが親である以上、管理することやその危険性を理解することなど、親が面倒くさがらずに対応していくことが重要。親が我慢することもキーポイントになる。
  • 子どもも親ももう少し余裕をもった生活を送りたい。子どもを支える大人たちが子どもとじっくり向き合えていない。人と競ったり自分の主張を通したりといった体験の中で、五感を磨いていける。
  • 小規模の学校では、子、親、先生、地域の人みんなが総合学習や学校行事に関わっている。そこでしかできない体験を共有しているときは、笑顔が絶えない。子どもも大人も生き生きとしている。
静教組
  • 安全管理上、放課後に校庭で遊ぶことや集団で遊ぶことも少なくなっている。だからこそ、学校での人間関係づくりやコミュニケーション能力の育成は重要になっている。
  • 忙しさゆえに、子どもたちにすばやい自己決定が求められている。自分で考える時間がなくなっている。そのため、みんなと同じを求め、人と違うことや一人でいることへの不安が大きくなっているのではないか。
  • スマホやLINEの課題やいじめの問題の本質は、人間関係づくりにある。情報リテラシーの能力を向上させることと大切だが、自尊心や集団生活スキルなど、前向きに人と付き合える能力を身に付けることが重要になる。

最後の全体会では、これから育ちゆく子どもたちの心の健康づくりのために、校長、教職員、保護者がそれぞれの立場で果たす役割を再認識し、今後も三者が語り合い、連携していくことの意義を確認することができました。