
第1943号2014年10月25日
子どもたちにしあわせな未来を ―守ろう 平和・人権・教育―
第39回母と女性教職員の会静岡県集会
「第39回母と女性教職員の会静岡県集会」が、10月11日(土)三島市立北小学校で開催されました。集会には、県内各地から、保護者・教職員・退職された女性教職員など、男女合わせて総勢380人が参加しました。
全体会では、鈴木伸昭執行委員長が、まず「母と女性教職員の会」発足の理由やその名称に込められた思いについて話をしました。会が発足したのは戦後直後。当時の荒廃した社会の中で戦争がもたらした多くの悲劇と悔恨、古い因習による女性への抑圧、社会の風紀の乱れに対して、その気持ちを抑えられない女性教職員が声を挙げ、「平和への願い」「母性保護」「女性の社会的地位の向上」について、母親たちと手をつなごうという運動が広がって会の発足に至ったというものでした。またその名称については、会の発足当時にあった時代背景と原点にある思いをつなげ「大切な記憶を風化させない」というメッセージが込められていると語りました。さらに、連合が主体となって行われた「わんぱくプロジェクト」(県内の小学生と東日本大震災で被害を受けた地域の子どもたちとの交流)に触れ、人と人をつなぐ心の余裕が失われているのではないかと思われる出来事もある中で、大人の姿勢や生き方、子どもたちへの関わり方が問われている。大人同士もしくは世代から世代への語り継ぎ、また新たな課題についても思いを共有することで、子どもの健やかな育ちへとつなげることができればと思う。」と述べました。
来賓を代表しては西島玉枝三島市教育長と佐野愛子県議会議員が挨拶をし、それぞれ社会環境と教育との関係について熱いメッセージを送っていただきました。
内田県女性部長は、基調提案の中で「厳しい現実の中で必死に生きている子どもたちの声にこそ耳を傾けていく必要がある。子どもたちが生きていく世界を変えるために教職員・保護者・地域の皆さんと手をつなぎ、話し合い分かり合う輪を広げていきましょう」と呼びかけました。
その後、日本体育大学教授の野井真吾さんが、「ちょっと気になる子どものからだと心」という演題で講演をしました。
午後は、「地域や社会との関わり」「両性の自立と平等」「平和と環境」等、参加者が9の分科会に分かれて活発な意見交換をしました。
講演「ちょっと気になる子どものからだと心」
野井さんの講演は、私たちが日ごろ感じている子どもたちのからだや心の「ちょっとおかしい」を数多くの実証データをもとに明らかし、今日からできる改善策をご提案いただという内容でした。子どもの体については、子どもの体温と通学意欲や睡眠時間の関係、日中の受光とメラトニンとの関係についてお話しいただき、「光・暗闇・外遊び」を勧めていきましょうという提案がありました。また、子どもの心については、行動様式として一番幼い「そわそわ型」の子どもたちが、近年、中学生になっても出現している実態に触れ、子どもの脳を発達させるためには、子どもたちが夢中になってとりくみ、興奮できるような「ワクワク・ドキドキ体験」が大切とお話しされました。子どものからだや心の育ちを助けるための野井さんの提案はどれも「少しだけ頑張ればできそう」なものであり、参加者の方からも「暗闇にするために、家の電球を1つだけ外すくらいなら今日からできる」「遠足などで子どもたちがわくわくするのは、やはり大事」などの声が挙がっていました。子どもの健康は、私たちにとってはとても関心が高いものではあっても「どこから、何からしてよいか分からい」という方も多い中で、具体策に富み、笑いと納得感のある90分間になりました。
