
第1942号2014年10月10日
国際的な視野で、教育を考える
−オーストラリア教育組合ビクトリア支部との交流−

8月には、静教組がオーストラリア教育組合(AEU)を訪問しましたが、今度は、ジャスティン副委員長を団長とするAEUの組合員21人が来静しました。静岡県教育委員会表敬訪問、静教組との教育協議会、ホームステイ、学校訪問等を行い、様々な形で交流を深めました。
9月24日(水)に開催した教育協議会では、AEU・静教組の組合員以外にも、県PTA連絡協議会や教育関係団体の代表者が参加しました。静教組からは「静岡県における教育の現状と課題」、AEUからは「ビクトリア州における教育の実態」について基調提案をした後、協議をしました。いじめ・不登校、学力テスト、教員の多忙化など、国は違っても共通に抱える課題について、積極的に情報交換ができました。
オーストラリアの教育実態 〜ジャスティンAEU副委員長基調提案より〜
オーストラリアの教育制度
オーストラリアは、6つの州(state)と2つの準州(territory)の政府が一定の権限をもっている。教育は州の管轄だが、予算は連邦政府と州政府の両方がもっており、8つの異なった教育システムが存在している。それぞれの教育システムの下、就学前教育、初等教育、中等教育、高等教育が行われている。
学齢期の児童生徒の約7割が公立学校に入学し、3割が宗教系の私立学校へ入学している。
ビクトリア州の教育の現状と課題
州政府が教育予算の70%を全児童生徒の3割しか在籍していない私立学校へ振り向けている。公立学校の予算が削られ、他の州と比べると、1校あたりの教員数が減らされている。静教組の組合員と同様に、ビクトリア州の教員も学級規模が大きいために、一人一人に合ったきめ細かい指導をするのに、限界を感じている。学級の人数が少なくなれば、もっと一人一人に時間をかけてその子のニーズに合った教育が可能となる。
全国統一テストで測られる「読み・書き・計算」の成績を上げることへのみに集中するよう圧力が高まっているのも大きな課題である。「読み・書き・計算」も大切だが、子どもの総合的な人間性を育成することも大切と考えている。
静岡県における教育の現状と課題 〜野中静教組書記次長基調提案より〜
全国学力・学習状況調査
教員の多忙な状況
家庭・地域と連携した学校運営
外国語教育
道徳教育
ホームステイで心と心の交流

9月25日(木)から28日(日)までAEUの組合員はホームステイをしました。今回は中部ブロックで受け入れをしていただきました。ホストファミリーになってくださった組合員の方々と出会うと、和やかな雰囲気で自己紹介をし合い、それぞれのお宅に向かいました。
9月26日(金)には、学校訪問をしました。AEUの組合員は、授業参観や子どもたちとの交流をしながら、日本の教育現場を体験しました。自己紹介やオーストラリアの紹介をしたり、外国語活動の授業に参加したりするなど、充実した1日を過ごしました。
週末はホストファミリーと過ごしました。別れの場面では、写真撮影をしたり、抱き合ったりして別れを惜しむ姿があり、思い出に残るホームステイとなりました。
