
第1940号2014年9月10日
第17回オーストラリア教育体験視察と交流の旅

2014.8.15〜8.22
学校訪問・教育交流を通して、子どもや教員の実態を知ったり、教育システムや教育内容等を学んだりして見聞を広めることを目的に、「オーストラリア教育体験視察と交流の旅」が行われました。静教組(STU)とオーストラリア教育組合(AEU)ビクトリア支部との教育交流は、今年で17回目となります。今回は、静教組鈴木伸昭執行委員長を団長に、STUから19人が参加しました。
南半球にあるオーストラリアでは、冬が終わりに近づき、国の樹であるワトルがあちらこちらで黄色い花を咲かせ、春の訪れを告げていました。
団員はビクトリア州都メルボルンの郊外でホームステイした後、メルボルンに移り、AEUビクトリア支部との教育交流を行いました。私たちと同じ立場である、オーストラリアの教職員と語り合ったり、オーストラリアの自然・文化に接したりするなど、数々の貴重な体験をした8日間の旅でした。
=ホームステイ=
メルボルンから車で約2時間のところにあるベンディゴという町周辺で、教員のお宅に2日間ホームステイしました。ベンディゴはゴールドラッシュで賑わった町で、金鉱跡が残っています。自然豊かなのどかな場所であり、カンガルーなどの野生動物を見ることができます。
ホストファミリーは、温かく団員を迎え入れてくれました。
教員の家族同士集まってバーベキューをしたり、親戚がケーキを作って持ってきてくれたりと、家族や親戚との温かなつながりを大事にしている様子がうかがえました。
はじめは不安そうだった団員も、最後にはホストファミリーと抱き合って別れを惜しむといった光景が見られ、ホストファミリーとの交流を深めることができました。言語や生活習慣が異なっていても、相手のことを知ろう、、自分のことを伝えようと努力すれば、心が通じ合えると感じた団員も多くいました。
=学校訪問=

ホストファミリーの勤務校を中心に訪問しました。日本の小学校にあたるプライマリースクールや中学・高校にあたるセカンダリースクール、特別支援学校に分かれ、授業や学校の施設を見学しました。
1クラスの人数は20人程度と少なく、教師も子どもたちもゆったりとした雰囲気で、学習にとりくむ姿が見られました。教室の掲示物も工夫されていて、子ども一人一人の育ちを大切にした環境作りを見て取ることができました。自由な雰囲気の中でも、「話を聞く」ことを大切に指導しており、日本の教育と共通する部分も感じました。
また、どの教室にも電子黒板が設置され、1人1台の電子端末が用意されておりICT環境の整備がかなりすすんでいました。
見学だけでなく、実際に授業を行った団員も多く、「折り紙先生」となって日本文化を紹介したり、一緒に遊びながらコミュニケーションをとったりして、子どもたちと交流しました。
=教育交流会=
AEUビクトリア支部において、教育交流会を行いました。
全体会では、ビクトリア州教育省のコリン・ブルックス政務次官や羽田恵子在メルボルン日本国総領事から温かい歓迎のご挨拶をいただいた後、AEUからビクトリア州の教育制度や学校協議会などについての説明を受けました。
2つに分かれての分散会では、「それぞれの国が抱える教育課題について」をテーマに、学校訪問したオーストラリアの学校の状況と自分の学校のとりくみを比較しながら、意見交換をしました。特別支援教育や教育予算など共通する課題も多く、時間いっぱいまで熱心な協議が続きました。それぞれ課題を抱えながらも、子どもたちのために教育にとりくむ教職員の思いは同じだと感じることができました。
