
第1935号2014年6月25日
執行委員長・県P連会長対談
6月6日(金)、静教組委員長室において、静教組鈴木執行委員長と県PTA連絡協議会の澤西会長の対談を行いました。
若者観について
鈴木:
澤西さんは会長として最近の若者をどのように受け止められていますか?澤西:
私たちの父親とか、その上の人たちっていうのは、「貧乏だったから」が必ず出てきますね。戦争が終わって高度成長期が来たのは、貧乏でいろいろな意味で飢えて、それによって想像力がついたんですよね。「ああなるといいな」「こうしてみたいな」っていうね。今の日本は裕福になりましたよね。だから、想像力というか夢がない。もう少しギラギラした欲があってもいいけど。
鈴木:
通称「ゆとり世代」ですよね。揶揄されることも多いけど、活躍している分野もあります。でもたしかに欲がないと頑張りが効かないですね。
澤西:
そうなんですね。それに伴って、計画性が弱いかな。「こうしたい」という思いがないから、先を見て行動する力が弱い。言われたことは素直に聞くし、指示されればできる。でも自分で考えて行動しようとしないし、責任をうまく回避している気がします。
鈴木:
本当の生きる力とか自分から課題を見つけて粘り強くとりくんでいく姿勢とかを伸ばしていく「ゆとり」だったんです。中途半端な条件整備で、解釈ができてきたところで方向が変わってしまいました。
澤西:
忍耐も大事ですよね。新しい技術を考案するには新しい発想が必要で、そのためには情熱が必要。何回もやり直せるような忍耐力がないといけないなと思います。
鈴木:
子どもたちにそういう力をつけるためにも、家庭でも学校でも、いろいろな体験をさせて、自分で考える、自分で判断するっていう機会が必要なんです。そして教員自身も授業方法を見直しています。
澤西:
教育の仕方が変わってくる感じがしますよね。ただ詰め込めばいいっていうことじゃなくなるのかなっていう感じ。
鈴木:
科学の進歩、技術の進歩、膨大な情報量。こういった社会になると、ある種のエリートが必要なのかもしれません。そこは否定しないけど、誰もがそれをめざして、勝者と敗者が生まれる社会にはしたくないですね。多様な受け止め方ができる価値観が必要です。
学力調査結果公表問題について
鈴木:
多様な価値観といえば、以前にお願いした教育研究所の調査なんですが、単純集計結果が出ています。学力調査の結果公表に向けて保護者の回答の中では賛成と反対は半々くらいなんですが、保護者の方が学校に期待しているのは学力よりも人格形成のような全体的なことを求めているんですね。調査結果の扱いは、一部の人の思いですすめるのではなく、市町ごと、学校ごと、保護者の方と話しながら考えてほしいです。
澤西:
副会長が「地域とともにある学校づくり検討委員会」という会議に出席しました。知事も教育長も来ていたそうですが、マスコミでクローズアップされてるような、対立している感じではなかったようです。
鈴木:
知事の話を細かく聞いていると、「学力なんかたいしたものじゃない、隠すことなく、おおっぴらにすれば恥ずかしくなくなるんだ」ということを言いたいようなんですね。でも、反対の意味に聞こえますよね。メッセージの発信の仕方を考えてもらいたいんです。保護者の立場からもいろいろな思いがあるんじゃないですか?
澤西:
PTAと教育現場と知事と、率直な意見交換の場をもってみたいですよね。
鈴木:
通じ合うものがほしいですよね。一度、知事を囲んで会談なんていうアプローチも面白いかもしれません。
澤西:
じゃないとわからないですよね。お互い考えていることを共有する機会があっていいと思います。少しでも耳を傾けていただける時間があれば、対談してみたいですね。
PTA活動について
鈴木:
会長になって2年目ということで、抱負はありますか?
澤西:
1年目はがむしゃらにやってきました。2年目の今年は、改革をしていきたいと思います。PTA役員になりたいって人が少なくなってきています。まず活動のマニュアル的なものをしっかり作って、予算的な部分もはっきりさせていけるといいなと思っています。
鈴木:
PTAも組合も同じですよね。負担感が先に来てしまうけど、やることによって見えてくる成果を、どう伝えていくのか。ネガティブに映っているものを少しずつ取り除いていく改革は必要ですね。組合もPTAも無いと困ります。必要なものをしっかりと残すために改革や精選が必要です。
澤西:
学校の問題は学校に任せ、保護者同士の問題ならPTAと保護者で解決していくというような改革もすすめていきたいですね。
鈴木:
ありがとうございます。それぞれの役割がありますが、みんなでのりしろをもって補い合っていければいいなと思います。「社会総がかりの教育」と言われますが、単なるキャッチコピーではなくて、中身のある教育をつくっていきたいですね。各市町・各学校単位で地域や保護者の皆さんと協力してよりよい教育活動を作り上げていきたいと考えています。
