第2060号2019年9月10日
国境を越えて教育を語らう 第22回オーストラリア教育体験視察と交流の旅

学校訪問・教育交流・ホームステイを通して、子どもや教職員の実態を見聞きしたり、教育システムや教育内容等を学んだりしながら視野を広げ、参加者自身が豊かな体験を得ることで教職員としての力量を高めることを目的に、第22回オーストラリア教育体験視察と交流の旅が実施されました。今回は、静教組 鈴木 伸昭中央執行委員長を団長に18人が参加し、オーストラリア教育組合(AEU)ビクトリア支部との教育交流を行いました。

=ホームステイ=

AEU教職員のお宅にホームステイをしました。メルボルンからジーロングまでバスで約1時間、到着するまでは不安そうだった団員もホストファミリーに温かく迎えられ、笑顔で各家庭へ行き2泊3日を過ごしました。別れ際には、談笑しあったり、抱き合って涙を流して別れを惜しんだりする姿があり、数日間の貴重な交流の様子を物語っていました。言葉ではなく、相手のことを理解しようとする心や積極的に関わり合おうという気持ちの大切さを実感することができました。

=学校訪問=

ホストファミリーの勤務校を訪問しました。日本の小学校にあたるプライマリースクールや中学・高校にあたるセカンダリースクールなどに分かれ、授業や学校の施設を見学したり、子どもたちとの交流を行ったりしました。

学習の様子から、民族や思想など、様々な違いを受け止めることができる学校がありました。授業では、子どもの実態に応じた、自分事として捉えられる課題から学習する姿が見られました。ICTの活用や自由度の高い授業から、その良さと課題についても考えることができました。

=教育交流会=

全体会では、ビクトリア州教育省政務官や在メルボルン日本国首席領事から温かい歓迎のご挨拶をいただいたあと、AEUからビクトリア州の教育や現状についての話を聞きました。

分散会では、「それぞれの国が抱える教育課題について」をテーマに、意見交換をしました。保護者と教職員の関係、学校の先生の役割と労働環境、特別支援教育など多くの事柄について、時間いっぱいまで熱心な協議が続きました。

団員の感想

  • 個々を尊重し、個別に力をつけていこうというオーストラリアの授業スタイルが参考になった。
  • 様々な場面での対処法を共有することで、違った視点から問題を考えてみようと思える大きなきっかけとなった。
  • 多忙化解消や保護者対応の難しさなど、共通の課題について交流できたことで、解決の糸口が少しつかめた気がする。
  • 毎日の忙しさや大変さから他国の教育のよさが目につきがちだが、日本の教育の細やかさや独自のスタイルにもよさがあると感じることができた。
  • 日本もオーストラリアも子どもをとても大切にして指導をしている。保護者との信頼関係を築いていくことはこれからも大切にしていくべきことだと思った。
  • 言葉の壁があったとしても、「人と人」の関係であることがなによりも大事で、そこに温かさがあるだけで幸せになれると感じた。
  • 感覚や文化、考えをきちんと受け止める心が大切だと改めて感じた。