第2056号2019年7月10日
子どもたちのために 県PTA連絡協議会・県校長会・静教組による第1回静岡県三者連絡協議会

6月13日(木)、クーポール会館(静岡市)を会場に静岡県三者連絡協議会が開催されました。県PTA連絡協議会から8人、県校長会から8人、静教組から9人が出席しました。

今年度は、磐田市立磐田第一中学校の山本敏治校長を講師に迎え、静岡の教育のあり方について協議をおこないました。

山本校長は、「磐田市における新時代の新たな学校づくり」と題された講演の中で、磐田市がとりくんでいる小中一貫教育とコミュニティスクールから発展した新時代の新たな学校づくりについてお話しされました。

磐田市立磐田第一中学校 山本敏治校長
「磐田市における新時代の新たな学校づくり」要旨

  • 磐田市では、各中学校区の小中学校を地域の学びの中心ととらえ「学府」と呼んでいる。学府に一人、磐田市独自採用のふるさと先生を配置して小中一貫教育をすすめている。
  • 平成27年度から市内全小中学校に学校運営協議会を設置し、地域代表、保護者代表、学校代表等が学校運営に関して協議している。学府には「学府協議会」を設置し、各学校の学校運営協議会の方が一堂に集まり、学府の方向性や中学校区全体のとりくみについて意見交換する機会を設けている。
  • 磐田市の小中一貫教育は「子ども、教師、家庭・地域が変わる」を合言葉にスタートした。学府ごと小中学校の教育目標を連動させ、年数回の合同研修会や授業参観を行っている。
  • 学府の学びをつなげる役として各小中学校に一人コーディネーター(主に主幹教諭・教務主任が担う)を設置し、月に1〜数回定期的にコーディネーター会を開催している。コミュニティスクールディレクターを学府に一人配置できるようすすめており、地域の人材に積極的に学校に入ってもらうための連絡調整をしてもらっている。ディレクターは、学府内に広く人材を集めることができる。
  • 「学府バス」を市で7台保有しており、小中学校の交流、小学校同士の交流をすすめている。1日かけて幼稚園から中学校までの子どもたちが一堂に会し交流する活動を行っている学府もある。
  • 成果として、教職員が自分の学校だけでなく小中全体を見るようになった。子どもたちも、上の学年の子の姿を見てあこがれをもつようになった。子どもたちの情報共有する場が多くなり、子どもの支援について小中学校の連携もしやすくなった。
  • これからの磐田の教育を語る一つのキーワードとして「つながり」が挙げられる。またハード面では、地域住民が自由に図書館等の学校の施設を使えるなど、地域の方が気軽に足を運べるような「多機能型学校」を整備していきたい。これにより、学校と地域のつながりをより強めていけると思う。
  • 学府一体校の整備は、子どもたちや地域の実情を踏まえ、地域の意見を尊重しながら地域に合った形を考えていく。

講演を受けておこなわれた協議では、学校、家庭、地域連携の現状等について、県PTA連絡協議会、県校長会、静教組のそれぞれから活発な意見が出されました。

【県校長会】

  • 小中一貫教育とコミュニティスクールをすすめるうえで、小中学校の縦の接続と、学校と地域との横の連携を意識してとりくんでいる。
  • 新たな学校づくりでは、小中連携と小中一貫のイメージを教職員と保護者・地域住民で共有する必要がある。

【県PTA連絡協議会】

  • コミュニティスクールをすすめる際、地域の代表だけでなくPTAの意見をダイレクトに伝えられる機会があるとよい。
  • 「つながる」という部分では、もっとPTAにも要望を出してほしい。

【静教組】

  • 小学校、中学校それぞれ特有の学校文化がある。それを超えて連携するためには、お互いがつながる機会をつくるとともに、連携しやすい施設等の環境整備が必要だと思う。