第2046号2018年2月10日
STUコラム 〜“教育談義”の復活をめざして〜

2月1日〜3日、日教組第68次教育研究全国集会(略称:全国教研)が、福岡県北九州市で開催されました。3日間の延べ参加者は約1万人であり、70年近く続いている本集会は世界的にも類を見ない大切なとりくみとなっています。静教組からは27人のリポーター・分科会司会者をはじめ組合員約90人が参加し、日頃の実践を交流しました。ちなみに、昨年の全国教研は、60数年振りに静岡で開催され、多くの静教組組合員が参加者の誘導や分科会の受付等に携わってくださいました。北九州市では、全国の仲間から「昨年はお世話になりました」との声を掛けられたことをお伝えします。

静教組では、毎年10月末に教育研究静岡県集会(略称:県教研)を開催しています。各単組・支部から選出された教職員約200人が実践報告を行い、討論を重ねた後、投票により全国教研リポーターを選出します。授業研究は校内研修でも行われることですが、実践内容や討論での発言も含めて代表者を選出する県教研は独特の雰囲気があります。

ところで、教職員の本務と言える“教育談義”ですが、ここ数年、学校現場では十分な時間が掛けられていない状況となっています。昔話をすると青年層に疎まれてしまいますが、私が20代、30代の頃は、校内ではもちろん居酒屋でも、授業や教材、生徒指導、学級経営などを話題に“教育談義”を交わしました。先輩の技や考えに少しでも追い付きたいと思い、一生懸命に話を伺い、日々の実践に活かしていたことを懐かしく思います。現在の学校では、教職員は過労死レベルと言われる月80時間の超過勤務を超える方が多くおり、業務改善と多忙解消が急務となっています。さらに、退職を迎える教職員が多い中、毎年、新規採用者が増えており、学校組織としての経験値が下がっている状態です。結果的に、学校では、夜遅くまで一人一人が黙々と業務に追われることになり、“教育談義”が衰退してしまったのではないでしょうか。

静教組は現在、教職員の働き方改革を最重要課題としていますが、それは決して教職員が「楽をしたい」との思いでとりくんでいるのではありません。業務の見直しにより、本務である‘子どもと接する時間’や‘教育研究の時間’を生み出し、子どもたちのゆたかな学びを保障する学校にしたいとの思いで改善を求めています。職員室に“教育談義”を取り戻すよう働き方改革をすすめていきましょう!

(書記長 赤池浩章)