第1997号2017年1月25日
専門部NOW 養護教員部編

Q1:養護教員の仕事は?

A:「児童の養護をつかさどる」仕事です。(学校教育法第37条第12項)

特別な支援を要するこどもたちや不登校への対応など、これまで以上にきめ細かな対応が求められています。また、食物アレルギーをもつ子どもたちへの対応やインフルエンザ・ノロウイルス等の感染症予防、熱中症対策など、学校における養護教員の果たす役割はますます大きくなってきています。各校1人の養護教員では限界があり、困難さを増しています。

Q2:養護教員部の活動は?

A:「専門職としての力量向上」「職務・労働条件の改善」「組織拡大・強化」を柱に活動しています。

●専門職としての力量向上

毎年、県下各地の養護教員が集まり、「静教組養護教員部研究集会」 (9月)を開催しています。さらに、子どもと健康研究フォーラム(8月)等の全国規模の研究集会に積極的に参加し、力量向上に努めています。

職務・労働条件の改善

組合員以外の方も含めたすべての養護教員の協力を得て、実態調査を実施しています。その結果をもとに課題を精査し、県教委要請行動(9月・10月)や養護教員部独自の要請行動(12月)で、県教委や県健康福祉部に対し職務・労働条件の改善とフッ化物の集団使用に関する課題の改善を求めています。

組織拡大・強化

少数配置職種である養護教員にとって、職務について相談したり悩みを共有したりできる仲間づくりが特に重要です。また、組織率が高まることで、要請・交渉の際には「多くの養護教員の声」として説得力をもつことができます。組織拡大・強化は養護教員部の活動の基盤となります。

Q3:養護教員部はどんな課題にとりくんでいるの?

A:「全校配置・複数配置」「食物アレルギー疾患への対応」「集団フッ素洗口・フッ素塗布」を始め、多岐にわたる課題が山積しています。

●全校配置・複数配置
義務標準法では
  • 3学級以上の小中学校に養護教員1人の配置
  • 養護教員の複数配置基準  小学校851人以上・中学校801人以上
静岡県の現状
  • 養護教員未配置の学校→中学校7校
  • 複数配置基準を満たしていても複数配置されなかった学校→小学校2校
  • 養護教員の果たす役割の重要性から市町単独措置で養護教諭補助員や保健室サポート員を配置している自治体があります。
▼静教組としては・・・

養護教員を分校まで含めた全校に配置するとともに、複数配置を適正実施することを求めます。また、複数配置基準の引き下げも求めていきます。

●集団フッ素洗口・フッ素塗布

フッ素洗口とは、フッ素を含む水溶液を口に含み、1分間うがいをして、むし歯を予防しようというものです。また、歯の表面にフッ素を塗るフッ素塗布もあります。効果や安全性については、様々な立場の意見があります。学校における集団実施については、すでに導入されている地域があり、行政による導入の動きが見られる地域もあるなど市町によって状況が異なります。

▼静教組としては・・・

学校にはアレルギーや腎疾患など様々な体質の子どもがおり、慎重に個別対応をする必要があります。インフォームド・コンセント(フッ素の効果だけではなく副作用まで含めた十分な説明を受けた上での同意)がなされないままに一斉実施することには問題があるとして、静教組は、県に要求書を提出し、学校における集団フッ素洗口・フッ素塗布を実施しないよう強く求めています。

すべての子どもたちの健康と安全、安定した学校生活を支えている養護教員は、多くの課題を抱えています。これらは子どもたちの命に関わるものであり、養護教員だけの課題ではありません。学校全体の課題としてすべての教職員で理解を深め、協力してとりくみをすすめることが大切です。