第1977号2016年3月25日
組織があることの意義、政治に関わることの重要性を 第215回静教組委員会開催

3月5日(金)、静岡県教育会館において第215回静教組委員会が開催されました。鈴木伸昭執行委員長はあいさつの中で、1975年に育休制度が確立されるにあたって静岡県が出発点となって全国に発信されたことに触れ、「組織があることの意義、政治に関わることの重要性を私たちに示している」と述べました。日教組の赤池浩章中央執行委員は、「教育再生」の名のもとに教育の市場化がすすんでいることに触れ、「教育を金儲けの手段と考えることに対して厳しく対峙しなければならない」と述べました。議事においては、2015年度の運動の総括等についての提案がされ、すべての議事は出席した49人の委員によって承認されました。

鈴木伸昭執行委員長 あいさつ

年明けに「育休のルーツ」と題して、育児休業制度の制定に至るまでの経緯が、4回のシリーズで地元新聞に掲載されました。当時尽力された静教組女性役員の皆さんの写真や回想録を交えて、当時の様子がわかりやすく伝えられており、組合運動に関わる私たちに大切な示唆を与えてくれるものでした。育児休業制度はまさに組合運動の象徴として語り継がれるものであり、現在ではごく当たり前のように行使されている制度が、長い時間をかけ数多くの関係者によって生み出された賜物であったことを忘れてはなりません。また、制度ができた後も「しっかり休んで『借り』を返そう」「50年後に制度を残す為に皆で実績を作ろう」と呼びかけ普及運動に努められたことも今につながる重要なとりくみでした。組合運動が「未来を創る運動」と呼ばれる所以であり、まさにそれを明快に具現化したものです。今ある職場は40年50年前のとりくみとつながっており、現在の私たちのとりくみも、やがて次の世代へとつながるものであることを、こうした機会に確かめ合いたいと思います。加えて、この育児休業制度は、地方のお寺で開催された学習会でのつぶやきが、教職員組合という組織があったからこそ、支部から県へ、県から全国へと、賛同者を広げることができたことを忘れてはなりません。さらには、それを政治の場にもち込んで制度として成立させたことから、組織があることの意義、政治に関わることの重要性を私たちに示してくれるものでもありました。

安心して学ぶことができる職場、安心して働くことができる職場には、その背景に網目のように張り巡らされた諸制度があり、それを常時運用しメンテナンスしている人や組織があります。その組織は、関わりのある者が少しずつ財政的な負担と労力を担い、必要な人員を置いて機能を発揮しています。力量形成に関すること、勤務条件に関わること、福利厚生に関わること等の様々な面でも、多くの組織が私たちの勤務や生活を支えています。私たちの身の回りにどのような組織があり、自分がどのように関与し、どのような恩恵を受けているかを見直していくと、その緻密さに驚かされます。安心して学べる職場、安心して働くことができる職場を維持・改善し、次の世代につなげていくためには、そのための組織があることの意義や必要性について理解を深め、よりよく参画することが必要かつ望ましいことです。

政治の場も温かみのある議論や政策立案がされるよう、私たちは主権者として自覚をもち、積極的な参画をしていかなければなりません。その意味で、7月に予定される参議院議員選挙は、これからの国のあり方を左右する重要な選挙であり、組織としての力量が問われる選挙でもあります。全国比例区では「なたにや正義」さんを、静岡県選挙区では「ひらやま佐知子」さんを、圧倒的な票で国政の場に送り出すべく、必勝に向けたとりくみをすすめてまいりましょう。